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2009年12月30日
地方のコミック専門ショップ店員がお送りする2009年コミック売上ランキングピックアップ
12月も30日になってどたばたと今年のまとめ記事を作るべく
お店からデータを集計して眺めているわけですが……
今年は僕は店頭から離れていた期間があっただけに、直接に本の売れ行きを観察していたわけではなかったので、いろいろと興味深いことになってます。
普通にベスト10を並べてもつまらないので(俺が)、見ていった中から気になるところをちょこちょこと拾っていきましょう。
とか言いつついきなり1位の紹介ですが……。
しかしこの結果ではしょうがない
1位
メイド嫁/鬼月あるちゅ《コアマガジン》
(成人コミック)
集計とってみて結果出てびっくり
「確かに売れまくってたけどそんなに売れてたのか!!」
と素直に驚きが。
ちょっとパラパラやっただけでパンツを下ろさざるをえない驚異的なエロさにより、
「発売以来、毎月重版がかかっている(担当談)」というくらいに売れまくってました。
いや、うん、だってエロいもん。
凄いエロいもん。
ぱらぱらやったら買わないわけにいかないって、あれは。
※ひょうたん書店はサンプル本をオープンにしてます。
5位
けいおん!(1)/かきふらい《芳文社》
6位
けいおん!(2)/かきふらい《芳文社》
京アニの力にかかると、売り上げ的に中堅どころの4コマが大化けするという……
この影響力は凄かった。
誤解の無いように言っておきますが、このあたりの立ち位置の4コマって、質は良いけどきっかけが無くて「売り上げ的に中堅どころ」に収まっている作品が多いんですよ。
逆に言うと、知ってさえもらえればちゃんと読まれる作品がまだまだあるということ。
それをお客さんに提示するのは本屋の役目でもあるわけで。頑張らないといけないですな。
7位
舞FAVORITE/如月群真《コアマガジン》
(成人コミック)
トップ10圏内にランクインした成人コミックのうちもうひとつ。
いちゃラブエロエロでありつつ、アニメ・エロゲ系の萌え絵とは違うタッチの作画であるため、幅広い年齢層に支持されてます。
9位
あずまんが大王一年生/あずまきよひこ《小学館》
実は、今さら振り返ると「再販版」ということもあり、強気の仕入れにはおっかなびっくりだったり(リニューアル版と聞けば普通はそんなもん)。
ところが蓋を開けてみれば、御存知の通り記憶を疑うほどの加筆修正。
これならむしろ旧版も持ってる人にこそ読んでほしい、と自信を持っておすすめできました。
ちなみに11月に出たよつばと9巻と同じくらい売れてます。
ここから下は自分が個人的に気に入っていたやつや、1巻目レビュー掲載タイトルの動向などを追ってみましょう。
13位タイ
放課後プレイ/黒咲練導《アスキー・メディアワークス》
「これもう入っちゃってるよね」というラストが衝撃の4コマ。
オマケ冊子掲載ということもあり、書店員も出版社側もここまで人気が出るとはほとんど誰も思っていませんでした。
発売は1月。じわじわと売れ続けてこの位置。
14位
こえでおしごと!(1)/紺野あずれ《ワニブックス》
発売は2008年の年末でしたが、これもやはりじわじわと1年かけて売れ続けていた1冊。
28位タイ
以下略/平野耕太《ソフトバンク》
コアすぎる内容のわりになんでこんなに売れてるんだ??と嬉しい疑問符。
やっぱみんな好きだったんだね、ああいうノリが。
ヘルシング最終巻と同じくらい売れてるなぁ。
28位タイ
ディーふらぐ!(1)/春野友矢《メディアファクトリー》
おー、かなり売れてるじゃん!こりゃ嬉しい!
こういった、ともすれば埋もれてしまうかもしれない作品をちゃんとプッシュしてこうして結果が出ているのを見るとやっぱいい気持ちです。
30位タイ
めだかボックス(1)/暁月あきら・西尾維新《集英社》
なんだかんだですがちゃんと結果出てますねぇ。
うちの店だとワンピやらナルトやらより遥かに売れているわけですが、まぁそういうのはご愛嬌。
33位タイ
聖☆おにいさん(3)/中村光《講談社》
逆にアニメ・コミック系専門店では弱そうなこのへんのタイトルがロングセラーとなり上位に食い込んでくると、「ああ、この人気は本物だな」という認識になるもんです。ジャイキリとかもそのへん。
※10月発売の4巻は52位タイ
41位タイ
お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!!(1)/草野紅壱《双葉社》
うおこれもちょっと意外。
いや面白かったんだけれども、ここまでだとはこうして数字見るまで思ってなかった。
43位タイ
少女マテリアル/鳴子ハナハル《ワニマガジン》
(成人コミック)
まだまだ売れ続けてるのかこれ!?
2008年の7月発売だぞこの本!すげぇ!
47位タイ
黄昏乙女×アムネジア(1)/めいびい《スクウェア・エニックス》
お、これは個人的に好きな作品だっただけに嬉しいな。
56位タイ
とんぬらさん(1)/セレビィ量産型《一迅社》
わーい
とんぬらさんも売れてるなー。嬉しい。これも好きなんだー。
59位タイ
べるぜバブ(1)/田村隆平《集英社》
おお、いつの間にかこの位置に食い込むまでに。
69位タイ
氷室の天地Fate/schoollife/磨伸映一郎《一迅社》
アンソロ本派生の個人作家パロ単行本としては久々のヒットとなった1冊。
73位タイ
当て屋の椿(1)/川下寛次《白泉社》
おおこれも嬉しい登場だ。
じわじわと個人的にプッシュしていた甲斐があったなぁ。
時代劇作品が売れてくれるのはほんと嬉しい。
とまぁこのようなところでしょうか。
本当はまだまだ細かく追っていきたいところですが、数百点分のデータを追って拾っていくとキリがないのでここまで。
つまみ食いながらも順位のあるデータとして並べてみましたが、統計的な意味合いではほとんど役に立たないと思います。
なんせ近場に紀伊国屋、ジュンク堂、アニメイトとあるわけで。
世間一般の売れ筋とはかけ離れている結果となってます。
その分、個人的にイチオシだったり、「これは面白いから是非ともみんなにすすめてくれ!」というやつが上位に来ているのを見ると、ほんとーに嬉しいもんですねぇ。
自分が良いと思ったものを知ってもらえる、広めることができるというのは、ほんと書店員冥利に尽きるところ。
来年もそうして面白いものをどんどんと提供していきたいものです。
投稿者 bird_chief : 23:55
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かわいいけれど触れると危ない。でもかわいいからいじりたくなる。そんなトオルさんにニヤニヤ。 1巻目の「Aチャンネル/黒田bb」

Aチャンネル(1)/黒田bb
| オススメ度: | ★★★★☆ |
| 俺これ好き度: | ●●●○○ |
| 万人向け度: | ◆◆◆◇◇ |
| マニアック度: | ■■□□□ |
危険な凶暴娘のいる仲良し4人組の日常を描く萌え系コメディ4コマ。
テーマもモチーフもフラットであり、枠組みとして明確な特徴の無い作品ではありますが、作画の質にトオルさんのキャラの良さでもってる内容。
こーいうちみっこはなでりなでりこしたくなりますな。
突き抜けた天然ほがらか娘のるん、いじられ被虐体質の関西弁巨乳・ユー子、メガネ突っ込み常識人のナギ、そして4人の中では年下であり、クールに見えつつも、るん大好きな暴走ちびっこのトオル。
この4人組による学園生活を描く4コマ。
キャラクターコメディの基本にのっとった展開でして、設定に変わった点が無いために延々とだらだらした印象ではありますが、トオルさんのキャラが良いんで他がどうでもよくなってきますな。
このトオルさん、見た目はハルヒの長門をちっこくしてちょっとキツ目の顔にしたようなキャラでして。
クールで物静かなんですが、るんさん命で彼女にまとわりつく者は異性でも同性でも容赦ない。涼しい顔してバット振り回す恐ろしい娘さんです。でもちっこいのでバットずりずり引きずってたり。そゆとこがかわいい。
また結構イジワルでSっ気たっぷりながらも、性根は優しい娘でして。でもそういう一面を見られちゃうと照れ照れになったり。かわええ。
例えるならこう、人になつかない小動物とでもいいますか。馴れ合ったりはしないんだけどそばにいてくれて。けどうっかり手を出すと痛い目に遭って、でもそこがまたかわいいのでちょっかい出したくなるような。そんなかわいさがありますな。
しかし何故かこの4人組のうち多面的な魅力があるのはトオルさんひとりだけでして。他の3人はわりと形式的なのがちと残念。いやパターンにのっとってもそのうえでの工夫と捻りは利いてるんですが、もうちょっとぱっとしないなぁというのは正直なところ。
けれど作画の質は高く終始安定しているため、安心して読める4コマではあります。
なんにせよトオルさんがむちゃんこかわいいし。
(1巻目レビューの概要と、採点基準はこちら)
投稿者 bird_chief : 23:25
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2009年12月25日
ささやかだけれど、香ばしくて少し苦い。そんなドラマの欠片を集めて。 1巻目の「珈琲時間/豊田徹也」
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珈琲時間(1)/豊田徹也
| オススメ度: | ★★★★☆ |
| 俺これ好き度: | ●●○○○ |
| 万人向け度: | ◆◆◆◆◇ |
| マニアック度: | ■■□□□ |
コーヒーをテーマに、舞台も時間も異なる人々のドラマを描くオムニバス短編集。
設定としてコメディありSFありといろいろやっていながらも、まさに一杯のコーヒーのようにふわりとした香りを残す話ばかり。
例えば、一人の女性チェリストと胡散臭い外人男性。探偵と少年、少女と叔母、銃を向け合う男性二人などなど。
ある特定のシチュエーションの中に置かれた人々が、コーヒーを間に挟み言葉を交わし、そこに世界と人間模様の断片を見出すという作り。何度か出てくる共通の登場人物はいるものの、話ごとに連続性はほとんど無く独立しています。
またドラマとして明確な抑揚やオチのあるものは少なく、セリフのやりとりの中からその背景にある物語を想像するような作りでして。話も全編に静かな雰囲気。
しかし一見おとなしいようでいて、キャラの色味やクセのつけ方が絶妙でして。わずか12ページの中での、落ち着いた会話劇でしっかりと印象深いキャラの個性とバックボーンをあぶり出してくれるのですな。
説明的なセリフやナレーションもあまり無いなかで、なにげない言葉ひとつでその背後にある景色や世界が豊かに膨らむのですな。
そこに喜怒哀楽の余韻が残るという具合。
何がどうと「面白い」「笑った」「悲しい」といった具体的な感想よりも、ただただそこにさりげなくもはっきりとした香りを残すような。そんな短編集。
しかしこの映画監督はいいキャラしてるねぇ。
(1巻目レビューの概要と、採点基準はこちら)
投稿者 bird_chief : 23:44
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2009年12月23日
地味目ながらもなかなか楽しい、アホの子+その他の学園ギャグ4コマ! 1巻目の「全力委員長(1)/のしお」

全力委員長(1)/のしお
| オススメ度: | ★★☆☆☆ |
| 俺これ好き度: | ●●●○○ |
| 万人向け度: | ◆◆◆◆◇ |
| マニアック度: | ■■□□□ |
委員長という存在を独裁者か何かのように勘違いしたお下げにメガネの委員長と、ヤンデレ娘や和風娘などなどによるギャグコメディ4コマ。
定番シチュエーションと定番キャラによる、形式としてはよくあるタイプの内容で、絵のほうもそんなに特徴は無いんですが、ネタをしっかり練りこんであるのが思わずにやっと笑える作りとなってます。新人さんらしいですが今後の成長に期待できそう。
中心となるのは、委員長であるおさげメガネの女の子。
委員長というのはクラスの支配者であるという盛大な勘違いにより、クラスメイトをパシリ扱いしたり勝手なルールを作ったりするものの、どちらかというと残念な子であるため、超強気のはずがかえってマヌケに。
他、ひたすらにネガティブでおまけにトラウマ持ちでヤンデレというレイプ目不幸少女やら、古風派が行き過ぎて現代人でない言動を繰り返す和風少女やら、天然バカが行き過ぎてかなりかわいそうなことになってる女の子などなど。
強烈に個性を発揮しているキャラばかり。
とはいえこういった面々も、わりとパターンに即した作りとなってます。
が、そこからのネタへの反映とひねり方がなかなかに上手く、パターンキャラと周囲のリアクションによりオチがちゃんと笑える4コマとなってます。
落し方やツッコミの言葉選びも丁寧なため、ちゃんと読んでいくと「おっと、意外に良いじゃん」という嬉しい誤算を見出す作品。
喋るウサギとコスプレ飼育委員の掛け合いなんかもいい味出してます。
「かわいげなキャラによるナンセンスギャグ4コマ」として読める出来栄えながらも、ちと物足りないのはキャラ同士の絡みか。
オチ担当となるそれぞれの個性的なネタを繰り広げるものの、それぞれのキャラごとにツッコミ担当が1対1の関係で存在しているため、個性的なキャラ同士のやり取りや関係性があまり無いのだ。
このへん、うまく複合的にキャラを組み合わせてネタを作ってくると、キャラクターコメディとしてもネタが立ち上がってくるんだがなぁ、と。
けどまーこれだけステレオタイプな性格のキャラばかりだと、それもちょっと難しいんだろうけどね。
(1巻目レビューの概要と、採点基準はこちら)
投稿者 bird_chief : 23:11
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2009年12月22日
王道ながらも安定感と笑えるギャグ。やっぱファンタジーアドベンチャーは実績のある作家のがいいなぁ。 1巻目の「マギ/大高忍」

マギ(1)/大高忍
| オススメ度: | ★★★☆☆ |
| 俺これ好き度: | ●●●○○ |
| 万人向け度: | ◆◆◆◆◇ |
| マニアック度: | ■■□□□ |
「すもももももも」の大高忍による、週刊少年誌連載の新作。
中世アラブのような世界観を舞台に、魔神を操る不思議な少年と、一攫千金を夢見る青年とが謎の迷宮に挑む、という冒険アクション。
定番的な内容ながら、ノリとギャグがなかなか笑えて、テンポよく読める作品。やっぱ王道冒険アクションでも、ヒット作持ってる作家が描くと違うなーと実感。
アラビアンナイトのような、ターバンと砂漠の世界。
天然スケベで異様な大飯ぐらいだが、世間知らずなまでに純粋な少年、アラジンが主人公。
彼は精霊の宿る魔法の笛を持っており、アラジンの呼び掛けに応えて笛の中から「ウーゴくん」なる魔神が姿を現す。しかしこのウーゴくん、もんのすごいムキムキマッチョボディなのだが、笛から腕だけ出してきたりと、端から見たら小さな子供の体からごっつい手足が生えているようで、すんごいキモい。
で、そのアラジンとともに旅をすることになるのが、金のために抜け目なく生きるが熱い心も持っており、どこか憎めない青年アリババ。
二人が挑むことになるのは、いつからか地上に現れたという謎の迷宮。
そこには異次元空間が広がっており数多くの宝や魔法のアイテムが眠っているものの、幾多の冒険者や軍隊が挑んでも帰ってこれないくらいに厳しいダンジョンでして。善悪さまざまな人々との関わりを持ちつつ、迷宮探索に挑む二人、という展開。
RPGよろしく設定と舞台のはっきりとした冒険の世界であり、主人公自体の能力もわかりやすく、設定等でひっかかることもなく読みやすい作品であるんですが、作者特有のノリによるギャグ展開が楽しい。
シリアスに決めるところで流れを外してギャグにもっていくというパターンですが、ノリと間のつかみ方や作画の崩し方が的確なため、分かってても笑えるのですな。
モチーフとしてはどこぞの新人が描くくらいにシンプルなものですが、コメディ展開とキャラ描写がどこか余裕を感じくらいに安定しておりまして。
誰が読んでもちゃんと面白いアクションコメディとなってます。
ストーリーについては、まだまだ主人公や迷宮についての謎も明らかになってないし、長編展開していくうえでのキャスティングも済んでいないようなので、じっくり付き合っていくくらいでいいかと。
(1巻目レビューの概要と、採点基準はこちら)
投稿者 bird_chief : 23:27
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2009年12月21日
ロリにエロにロボアクションに。これは青少年を正しい方向に導く育成書(キリッ) 1巻目の「このはな/松本ドリル研究所」

このはな(1)/松本ドリル研究所
| オススメ度: | ★★★★☆ |
| 俺これ好き度: | ●●●○○ |
| 万人向け度: | ◆◆◇◇◇ |
| マニアック度: | ■■■■□ |
人類の脅威である謎の巨人や巨大生物と戦う巨大ロボ。
そのロボの操縦者である巨乳おねーさんとロリのコンビによるグチョネチョエロと、見事に描かれた派手な熱血ロボアクションが堪能できる作品。
全裸で操縦とか二人組のペアとか、「あけおめっ」が好きだった身としては嬉しい新作。
エロもロボもえらいこっちゃというくらいにクオリティ高いのだ。
全裸の女性の姿をした巨大生物と、いわゆる「リアル系」にカテゴライズされる外見を持つ人型兵器とのバトルから始まる展開。
侵略者である巨大生物群と、ロボを駆る少女達との戦いという枠組みがまずありまして。
同時にエロコメディが展開されるという具合。
ロリ娘とおねーさんがもうネッチョネチョで凄まじいことになってます。その大半は、ロリ娘の行き過ぎた妄想だったりするんですが、もう入ってるどころではないくらいでして。
またエロコメディのノリもハイテンションでお馬鹿で楽しい。二人の女の子が向い合って下半身丸出しで野良ションとかもう、何をどうやったらこういうシチュエーション思いつくのかと。
けどあっけらかんと明るいながらも、絵面はもう完全にハードコア。ここまで来るともう、マーク付けていいから全編エロでもいいぞと言いたくなってくる。
がしかし、ロボットアクションのパートとなるとノリも一変。重たくハードなバックボーンとともに、惨たらしい生と死が目の前にあるシリアスな展開に。
エロ中心なだけではなく、侵略者対防衛軍という設定による人形兵器やらその周辺も丁寧に作ってあるんですな。
ドギツいエロを描いたその先に、パースも見事なメカアクションをやってのけるわけで。
ちなみにこの人型兵器、「バイペットトルーパー」と呼称されてますが、フォルムはPCゲーム「パワードール」のパワーローダーに近い。
ごついシルエットながらもシャープな印象があり、それでいて軍事組織の兵器としての無骨さもありつつ。
おっきおっきさせてくれるエロも非常に良いんですが、「ここまで来たらもうもっとメカを、ロボを」と言いたくなる作品(おそらくロボ要素を期待するのは少数派かもしれないけど)。
エロコメディはいっぱいあるが、ちゃんと読み応えのあるロボアクションマンガはなかなか少ないもんなー。
で、かっちょええロボアクションをやったら、その次にすぐさまノリノリでエロエロに。この振幅があるおかげで、かなり密度の濃い内容となってます。
(1巻目レビューの概要と、採点基準はこちら)
投稿者 bird_chief : 22:39
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2009年12月18日
伊藤勢×夢枕獏の組み合わせは安定感バツグン。原作付きコミカライズの理想像がここに。 1巻目の「闇狩り師 キマイラ天龍変/伊藤勢/夢枕獏」

闇狩り師 キマイラ天龍変(1)/伊藤勢/夢枕獏
| オススメ度: | ★★★★☆ |
| 俺これ好き度: | ●●●○○ |
| 万人向け度: | ◆◆◆◇◇ |
| マニアック度: | ■■■□□ |
夢枕獏による小説シリーズ「闇狩り師」と「キマイラ」の、コラボレーションオリジナルストーリーという、ファンにはたまらない作品。
また娯楽アクションとしての完成度も相当に高いため、誰もが読める面白さもあるという一品。
「闇狩り師」の主人公である九十九乱蔵の若き日の姿を描くとともに、「キマイラ」の登場人物達が登場し、本編より10年前の台湾、中国チベット奥地を舞台とする冒険アクションが繰り広げられるという筋書き。
原作の設定がしっかりと土台を固め奥深さを出し、そのうえでキャラの魅力をいかんなく描いてみせ、ストーリーの真骨頂である異形とのバトルも問題無く描いてみせるという具合でして。
線の太い作画であっても細やかさと密度があり、そのうえ馴染みやすく読みやすいタッチで、構図もうまい。バケモノもメカも格闘シーンも描けるし、小周天は超かっちょええ。
ややコミカルな描写も挟みシリアス一辺倒な息苦しさも無いし、美女はエロいし。
要素ごとのクオリティが高レベルで、かつバランスよく安定したアクションバトル作品として、誰がどう読んでも楽しめるはず。
前作の「荒野に獣慟哭す」も伊藤勢×夢枕獏の組み合わせでしたが、ほんとこのタッグは安心して読める出来栄えだ。
あえてなんかわざわざケチを付けるならば、表紙が雄々しいマッチョゴリラでなんかこーせっかく美女描けるんだがら華が欲しいようというところですが。でもファンにとってはこっちのがいいのかしら。
暑苦しい表紙にためらわず手にとるべし。
(1巻目レビューの概要と、採点基準はこちら)
投稿者 bird_chief : 23:36
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2009年12月17日
子供と熟年をうまいこと描ける作家にハズレは無い!末次由紀の泣かせる新刊! 1巻目の「クーベルチュール/末次由紀」

クーベルチュール(1)/末次由紀
| オススメ度: | ★★★★☆ |
| 俺これ好き度: | ●●●○○ |
| 万人向け度: | ◆◆◆◆◆ |
| マニアック度: | ■■□□□ |
イケメン兄弟が営む、おしゃれなチョコレート専門店。
二人を目当てに女性客で賑わう店内だが、味も質もとびっきり。そして、そこに足を運んだ人々に、切なくも心温まるドラマを送るという作品。
チョコレート屋の二人が語り部となり、お店とかかわることになる人々の話を描くオムニバス。かと言って恋愛話だけじゃないのだ。
どことなくミステリアスな、美形の兄弟のいるチョコレート専門の洋菓子屋さん。
ある時は、仕事に生きながらも密かな恋に悩む女性がいたり、渡せなかったバレンタインのチョコに悔いを募らせる少女がいたり。親も夫も他界し、子供の家を離れた寂しい中年女性がいたり。
そういった人々が、お店と何かしらの関わりを持ち、それぞれのドラマを演じるという具合。
一応主役として美形二人は用意されてはいるものの、話ごとに主人公となるキャラは多彩で、オムニバスと言っていい作りとなってます。
切なくてまっすぐな恋の話。消えてしまった絆を探す話。野球少年の一途な思いなどなど。
ひとつひとつが心に染み入るエピソードとなってます。
寂しい中年女性の話を書いたかと思えば、幼い子供のドラマも見事に読ませてくれたりと、作者の力量に底知れぬ物を感じますわ。
パート勤めのおばちゃんの、年期と共に味わいと風格を増して来た温かな風貌をきちんと絵として表現していたりと作画にもスキが無く、そこらの少女漫画作家とは頭ひとつ抜きん出ていますな。
ちょっと切ない話もあるけれど、最後はちゃんとハッピーエンドでほっこりとした気分になれる。
そして、大人から子供まで、男女問わずに誰が読んでも必ず心に響く話がある。そんな作品となっております。
おじちゃんおばちゃんや小さい子供の心理描写を丁寧に、かつ的確に提示してくれる少女漫画作家は絶対にハズさないです。そのくらい自信を持っておすすめ。
(1巻目レビューの概要と、採点基準はこちら)
投稿者 bird_chief : 23:09
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2009年12月16日
翼を付けた竜が空を飛ぶ!飛空ファンタジーアドベンチャー 1巻目の「リンドバーグ/アントンシク」

リンドバーグ(1)/アントンシク
| オススメ度: | ★★★☆☆ |
| 俺これ好き度: | ●●●○○ |
| 万人向け度: | ◆◆◆◇◇ |
| マニアック度: | ■■■□□ |
周囲を断崖に囲まれ、世界と隔絶された小さな国に住む少年が、「リンドバーグ」と呼ばれる生物とともに大空へと飛び立つ、という冒険アクション。
バトル展開でどうこうというんでなく、大空とまだ見ぬ世界への憧れという、ピュアな意思による旅立ちの展開がいいっすな。
断崖絶壁の上にあり、さながら天空の街のような国に、トカゲのような不思議な生き物と暮らす主人公。
彼の父親は、「空を飛んではいけない」という大罪を犯し絶壁から落ちて死んでしまい、不敬な罪人の息子として彼は虐げられておりまして。
そこに、人の手による翼を見に付けた巨大なトカゲに乗り、空から一人の男が落ちてくる、てな展開。
このトカゲのような、と言うか翼の無いドラゴンのような外見の生物が、実は「リンドバーグ」と呼ばれ、後ろ足で空気を蹴り、空をジャンプすることができるという設定。
そこに人間が作った翼を胴体に装着することで、リンドバーグ自体がエンジンのように作用し、飛行機となるわけですな。
遺跡にも、翼を付けた生き物に乗る人間が描かれていたりと、この王国自体がリンドバーグと縁のある国であることを匂わせていたりしております。
空へと飛び立つ、ということがテーマとなっている1巻目であり、この先どーいうようなストーリーになるかはまだまだ分からないところですが、主人公の生まれ育った王国の、文化や文明、背景から小道具にいたるまでかなりしっかりと描写してあるところを見ると、主人公自身がこれから目にすることになる世界についても、どんなものを見せてくれるのか非常に楽しみですな。
(1巻目レビューの概要と、採点基準はこちら)
投稿者 bird_chief : 23:18
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2009年12月15日
ノリノリハイテンションで「農」を語れ!お百姓さんに感謝したくなるエッセイコメディ! 1巻目の「百姓貴族/荒川弘」

百姓貴族(1)/荒川弘
| オススメ度: | ★★★☆☆ |
| 俺これ好き度: | ●●●○○ |
| 万人向け度: | ◆◆◆◆◇ |
| マニアック度: | ■■■□□ |
漫画家になる前は北海道の実家で農業に従事していたという、「鋼の錬金術師」で知られる荒川弘。
「農業体験」なんてなレベルではないような、生きる糧としての農と北海道の大地をテーマとするエッセイマンガ。
なにせ北海道だから「ちょっと田畑を耕しました」「菜園を作りました」なんて規模とはまるで違う。そのへんのスケール感のでかいエピソードが楽しいっすな。
広大な土地に牛を飼い畑のある実家に育ち、上京して漫画家となった荒川弘。
農家の日々の暮らしに起こるおもしろエピソードを中心に描くショートコメディ。
お笑いだけかと思いきや、「牛乳が余ってるから減産しろ」というような、世間に左右される農家の悩みや愚痴もありつつ、畜産と畑作に関する雑学も存分に詰まっておりまして。
ノリノリテンションで繰り広げられるギャグににやけつつも、「なるほどそうだったのか」という「農」にまつわる発見が楽しい。
ちなみに表題の「百姓貴族」とは、上京したての著者の、金は無いが野菜と肉ならいくらでも手に入るというような身の上から来ています。
「そうそう、うちもばーちゃんとこが農家だからなー」なんて共感を期待して読んだんですが、さすが北海道。話がいちいちスケールが違う。
ヒグマの恐怖や自然の脅威、牛との暮らしなどなど、「農」をちょっぴり知っている人間からしても、興味深いエピソードがごろごろと転がってます。
元より、ギャグシチュエーションというかコメディのノリが上手いだけに、全編ギャグエッセイとあってもまったくダレずに気楽に読める内容。
まー昨今の農業ではいろいろとシリアスな問題もあるものの、そこはあえて突っ込んだ描き方はせず、しかし読み手の頭にちらりとでも問題提起を促すような作りとなってます。
…個人的にはあれだ…生キャラメル関連のネタ話を非常に期待するところなんですが。下世話な興味として。
さすがに無理かね。
(1巻目レビューの概要と、採点基準はこちら)
投稿者 bird_chief : 23:58
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2009年12月14日
あたたかくてちょっと切ない、ハートフルホームドラマです! 1巻目の「このこここのこ(1)/藤こよみ」

このこここのこ(1)/藤こよみ
| オススメ度: | ★★★☆☆ |
| 俺これ好き度: | ●●●○○ |
| 万人向け度: | ◆◆◆◆◇ |
| マニアック度: | ■■□□□ |
親の再婚をきっかけに新しい家族が増えた矢先、突然に長期不在となってしまう両親のために、子どもたちだけの暮らしが始まってしまうというドラマ。
兄妹となったはずの同居人に対して恋に近い感情が芽生えるという、少女漫画にありそうなシチュエーションを男性キャラの目線で描く作品。
主人公は高校生の男子。幼い頃に母親と死別し、父と姉との三人暮らしだったが、その父親が再婚。
新しい母親に、陽気な兄と年の近い姉に、幼い妹。義理の兄妹達が引越してきたその当日に、父親は新しい妻を連れて海外転勤。何も知らされていなかった主人公たちは、そのまま子どもたちだけの生活を始めることになるという展開。
そしてさらに、優しくて気のきく娘だと思っていた姉が、猫かぶりで大変に気の強い女の子であったと判明。
主人公の前でだけ本性を見せる彼女に対し、なにかと振り回されつつも主人公の中で気になる存在となっていくという感じ。
恋愛優先で子供を顧みない母親、奔放で何も考えていない兄、そして人付き合いが苦手な妹に囲まれ、必然的にしっかり物でたくましい猫かぶりになったという姉。
しかし一人で家族のことを背負ってきたために、その重圧に負けそうなところで主人公が優しく手を差し伸べてくれるんですな。この主人公の姿がかなりいい男でして。
いっけんぼんやりして見えるんですが、姉に対していちいちこう、口説き文句のごとくかっこいい言葉でフォローしてくれるわけで。
しかし姉のほうはというと、同じ学校へ通うことになっても「家族であることは秘密だ」とか色々とキツイんですが、そんな彼女に対しても「無理することないのに」と優しい主人公。「俺の部屋で泣く?」なんてセリフをさらりと言ってのけるあたり、天然ジゴロとしての素質も十分ですな。
このへん、年の割にやけに落ち着きがあって女性を助けることを厭わない彼氏役と、かわいくて良い子だけど実は腹黒くてその姿は彼氏役だけが知っているヒロインという構図、実は少女漫画特有のものだったりしまして。
少女漫画のキャラ配置を男性キャラの視点で描くという特徴を持つ作品となってます。
テーマが家族のドラマということもあり、読み手の性別を選ばない話となっているんですが、若干感情移入し辛いところはあるかもしれない。……こんな大人びてしっかりした高校生男子がいてたまるか、という気にも。
しかしヒロインについては、俺にだけ本音をさらしてくれて弱気なところもある、というかわいげのあるとこも存分に披露してくれまして。
あとはこう、義理の兄妹であるという一線をどうやってラブコメ展開にもっていくのかが気がかりですな。ニヤニヤ。
(1巻目レビューの概要と、採点基準はこちら)
投稿者 bird_chief : 21:39
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2009年12月12日
ベタな設定をここまでちゃんと読ませる力量に感心! 1巻目の「年中無休☆サンタさん/仏さんじょ」

年中無休☆サンタさん(1)/仏さんじょ
| オススメ度: | ★★★☆☆ |
| 俺これ好き度: | ●●●○○ |
| 万人向け度: | ◆◆◇◇◇ |
| マニアック度: | ■■■■□ |
ある日突然、自分の家系が代々本物のサンタクロースであることを告げられ、きわどい衣装で魔法少女よろしく敵と戦うサンタさんとなってしまった女の子を主人公に、バトルに恋にというアクションラブコメ作。
よくある作りなのに、エロかわいい作画とキャラの良さに引き込まれ、しっかり面白く読める作品。
主人公である女子高生、三田燦は、名前が示す通り実はサンタの家系であることを告げられる。
しかしそのサンタさんとは、お色気コスチュームに身を包み、人間をオモチャに変えてしまう「プレゼンツ」達と戦うべく、魔法のアイテムと決めポーズでバトルする魔法少女そのものであった、という設定。
そして彼女の幼なじみであり、容姿はいいのに性格に問題のある男子とともに、学園ラブコメやったりバトルしたりという具合。
女性キャラ主観の作品でありつつも、このヒロインのかわいさと魅力が存分に発揮されておりまして、恥ずかしいコスにもじもじしてたり、密かに恋焦がれる幼なじみを前にしてテレテレになってたり、恋のライバルとなってしまった友人であり生徒会長のがっかりロリ娘に静かに優しい対抗心を燃やしたり。時には悩んだり落ち込んだり。
そんなひとつひとつのしぐさや表情が非常に良いです。読んでるほうに愛着と親近感を持って伝わってくるとでも言いますか。作画としての感情表現もなかなかよろしく、笑顔泣き顔困り顔と、どれをとってもいい表情をしてくれるのですな。
ラブコメやりつつ戦う魔法少女なんて設定はいくらでもあるところ、何故だかこの作品は楽しく読める。このあたりちと繊細というか微妙な質の差でもありまして、作画なり構成なりのバランスがしっかり整っているのと同時に、ヒロインの内面のちょっとした変化も的確に絵として描いてみせる、そのへんの上手さがあるのでしょうな。
さてお話の方は、謎の存在であった「プレゼンツ」の手により、実は世界の半分が陥落していたとか、主人公の他にも世界には戦うサンタがいるのだとか判明しつつ、設定とストーリーが徐々にスケールを大きくしつつ、今のところはのんびりほのぼのラブコメやってるというところ。
前作「ろりぽ∞」からのファンも安心してついていける出来栄えです。
(1巻目レビューの概要と、採点基準はこちら)
投稿者 bird_chief : 23:47
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2009年12月11日
おっぱいとメカと銃器とアクション。男の子としてこれ以上望むものはありませんな。 1巻目の「トリアージX/佐藤ショウジ」

トリアージX(1)/佐藤ショウジ
| オススメ度: | ★★★☆☆ |
| 俺これ好き度: | ●●●○○ |
| 万人向け度: | ◆◆◆◇◇ |
| マニアック度: | ■■■■□ |
法の目をかいくぐり私腹を肥やす悪党どもを容赦なく打ちのめす謎のチーム(なぜか巨乳美人ぞろい)と、その一員であるひとりの少年のドラマを描くバイオレンスアクション作。
ドンパチとおっぱいとおっぱいとおっぱい。バイクもアクションもかっこいいんだがどうしてもそっちに目が…。
とある街に居を構える総合病院。しかしその影では「ブラックラベル」というチームを抱え、看護婦や女医が理事長の指示の元、街にはびこる悪党を実力で始末する非合法活動を展開していた、てな設定。
主人公はチームの一員であり、傍目はごく普通の高校生。しかし過去になにやらあったようで、どこか暗い影を背負っておりまして。
で、とある悪徳建築会社の社長を始末したところ、その生き残りが「ブラックラベル」に対して挑戦状を叩きつけたり。一方で、仕事は完遂するものの、どこか不可解な行動をとる主人公とチームの間に軋轢が生まれたりといった具合。
派手でスピード感のあるアクションシーンと、エロエロな美女達。作画の面での質の高さは申し分なく、エロとバイオレンスの娯楽アクションとして誰が読んでもまっとうに楽しめる良作。
しかしカバー裏の著者コメントに「手探り状態でスタートした」とあるように、舞台設定やストーリーともに少々奥行きが無いかなぁというのは感じるところ。悪く言えば美女が出てきてドンパチやってるだけ、という。
しかしその美女とドンパチがえらいことクオリティ高いので問題は無いのだ。
今のところストーリーは、潰したはずの建設会社の生き残りとの衝突がメインでして。
こう、街に巣食う腫瘍と街の守り神と、話のスケールをあまり大きくしない内容なんですが、その分「仕事人」っぷりが出ているかなぁと。
それにしても、手探り状態でのスタートになってしまったのは、やっぱあれだよなぁ、「学園黙示録」の休止によるものだよなー。ううむ。
(1巻目レビューの概要と、採点基準はこちら)
投稿者 bird_chief : 20:14
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2009年12月09日
男装の麗人「しか」いない学園。そりゃもうトイレに駆け込んでイカ臭くならざるをえない・・・! 1巻目の「私立男装学園/小池田マヤ」

私立男装学園(1)/小池田マヤ
| オススメ度: | ★★★☆☆ |
| 俺これ好き度: | ●●●○○ |
| 万人向け度: | ◆◆◆◇◇ |
| マニアック度: | ■■■□□ |
男性社会で生き抜くために、学園生活を男装して送らなければならない全寮制の女子高。
そこに、とある事情から「模範的男装女子」として転校することになる男の子を中心に繰り広げられる、恋と青春と軽めのエロスの4コマコメディ。
男に見えるけど女子、男に見える女子のふりをする男子、そしてそれぞれに恋が芽生え、男女というものがなんだかよくわからなくなってくるとともに、性差を超えたところでの絆が見えてくるという作品。
主人公は、母親が病気で療養中で苦労してきた男子。見た目は小動物系だが、それでも一応男の子。
そんな彼が転入することになるのは、企業の跡取りや財閥の娘などいいところのお嬢様たちが、将来男社会の中で人の上に立つために、男というものを理解するべく生徒の先生も男の格好をして男性として学園生活を送る学園であった。
そこに「男らしい模範的男装女子」として主人公はやってくるわけなんですが、格好は男でも周囲はみんな女性。もし彼が男であることがバレたら、即刻退学というルール。
美しい美少年と化した生徒もいれば、かっこいい男装女子からどーみても男として違和感無いのまで。さらにはヒゲをたくわえたダンディな理事長も、ゴツくてたくましい体育教師も、みんな女性であるという環境。
対する主人公は、なよなよしてるし草食系だしちんまりとかわいいくらいでして。むしろどこが「模範的」なのだろうかと周囲の生徒に訝しげに見られるほど。
けどやっぱ立派な男子である彼は、積極的にスキンシップを図るクラスメイト達のせいで、前かがみになりトイレに駆け込むことになるのですな。……4コマとはいえ、ことあるごとにトイレの個室でイカ臭くなってる主人公というのも珍しい。
でも普段は違和感無く女の園に溶け込んでるのみると、読者としても男としてそれはどうなのとツッコミ入れたくなりますな。
さてストーリーの方は、主人公と同室であり、理事長の娘であり、「特別」であるがゆえに周囲から孤立し、当人もその立場に耐えられないでいる、そんなクラスメイトとのドラマがあり、さらには超イケメン生徒会長に主人公が一目惚れしちゃって「あれこれBL?でも片方は中身は女で、片方は女と思われてる男で…あれ?」と読んでるほうを惑わしたりしつつ。
シチュエーションコメディとして読ませつつも、人の絆とつながりをシリアスに描くところは描いており。
見た目ダメダメな主人公が徐々に周囲の人間関係を変えていくという展開。
同時に、例外的にやってきた主人公に対する疑惑の目が向けられ、学園生活そのものにもピンチが及んだり。
なかなかに波乱万丈な学園ドラマでもあります。
テーマ的に、ジェンダージェンダー言うのかなぁとも思いましたが、読んでみるとそうでもなく。
この特殊なシチュエーションでどんなドラマを生み出すことができるのかという試みが面白い作品。
あとクラス委員長の泉さんがかっこかわええなぁ。腐女子だけど。
(1巻目レビューの概要と、採点基準はこちら)
投稿者 bird_chief : 21:37
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2009年12月08日
童貞妄想の理想を形にするには、あざとすぎるくらいでちょうどいいのだ。 1巻目の「あねどきっ/河下水希」

あねどきっ(1)/河下水希
| オススメ度: | ★★★★☆ |
| 俺これ好き度: | ●●●○○ |
| 万人向け度: | ◆◆◇◇◇ |
| マニアック度: | ■■■■□ |
ごく普通の男子中学生のもとに、なぜだが謎のお姉さんがやってきて、なぜだかそのまま同居生活。
そして父親は長期出張で、ハプニングだらけの二人暮らしがスタート。する、てなドタバタお色気ラブコメ。
他人が見ていて死ぬほどうらやましいような、姉スレの内容をそのまま再現したような展開でして。
もともと女の子のかわいさに関しちゃ抜きん出ている作者なだけに、それでこんなにおいしいシチュエーション並べておいて、読まないわけにいくかという作品。
男子中学生にとってのあこがれ、年上のお姉さんという存在をこれでもかとクローズアップしつつ、クラスメイトの女の子とのラブコメもやったり。
男性の妄想エロハプニングをこれでもかと畳み掛けてきますな。
それというのも、やっぱ性格まで含めたヒロインのキャラ造形がうまく、ずけずけと押し掛け気味にやってくるものの奔放さのおかげであつかましさはあまりなく、料理をはじめ家事もそつなくこなしつつ、子供っぽくも年上としての包容力もあり。
かと思えばスキが多いのか挑発的なのか、下着姿をさらしたり、ベッドの中にもぐりこんできたり。
そんな彼女に振り回されっぱなしな主人公は、積極的にアプローチしてくる年上のお姉さんという存在に対し、年頃の男の子としてドギマギしっぱなしであるものの、なんだかまんざらでもなさそうで。
そんな二人の関係がなにやら面白くないクラスのマドンナも、いつの間にか主人公に対してアピールしてきたり。
本人は邪険にしつつも、傍から見ればそうとうにうらやましいという、無防備なお姉さんとの同居生活。
しかもそのお姉さんは、実の姉ではなく突然やってきた赤の他人でありまして。お前もうさっさと一線越えてしまえこの野郎、というところなんですが、そこは男子中学生の悲しさとして、翻数々のエロシチュにも翻弄されるばかりなのですな。
このお姉さん、ほんとにいきなり押しかけてきたわけでその素性も明らかではなく、美人で料理もうまいけど喧嘩も強かったり、何故か大金を持ち歩いていたりと謎も多く。
そのへんのミステリアスさが魅力のひとつとなるとともにストーリーの鍵となっていくのでしょうな。
にしてもまぁ、お姉さんとはいえこの娘まだ17歳でして。
なのに、こう「年上のお姉さん」キャラとして憧れの存在で読めるわけで。男はいくつになってもそういったものなのだなぁ。
(1巻目レビューの概要と、採点基準はこちら)
投稿者 bird_chief : 22:32
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2009年12月07日
ほんとこの作者の才能には底が無い……。新作多いのが嬉しい作家の一人です。 1巻目の「星が原あおまんじゅうの森/岩岡ヒサエ」

星が原あおまんじゅうの森/岩岡ヒサエ
| オススメ度: | ★★★☆☆ |
| 俺これ好き度: | ●●●●○ |
| 万人向け度: | ◆◆◆◇◇ |
| マニアック度: | ■■□□□ |
とある町の塀で囲まれた森の中で起こる、ヒトと妖精達とのつながりとドラマを描くハートフルファンタジー。
人情話かと思いきや、根底に大きな悲しみがあり、優しさと厳しさの入り混じるストーリーとなっております。
住宅街の中にあって地元の子どもたちから「おばけの森」「かみさまの森」と呼ばれる、塀の中の森。
その中では動物や植物、石ころまでもが精霊となり意思を持ち暮らしている。
精霊とともに森の中で暮らし精霊からスタンプを集めている青年、蒼一と、森の中に迷い込んだ人々との間になにやら起こるという展開。
少年のお守りとして大事にされてきた、石ころに宿った小さな神様の話や、ヒトに捨てられた一羽のニワトリ、老いながらも貪欲に生を求める大木の話などなど。
精霊達のかわいらしさと、どこかのんびりとメルヘンながらも、じんわりと心に染みるような話が続き、ほのぼのしてるなーと思って読んでいると、かなり重たい背景を突きつけられる展開。
この森そのものが、人々から忘れ去られようとしている神様の住む土地であり、その成り立ちについても遠い昔に大きな悲劇を背負っておりまして。
狂言回しとなる蒼一についても、にこやかで静かな青年かと思いきや大きな傷を持っており、森と関わり森に住むものに愛情を感じてしまったがために、ある事件とともに深い悲しみを抱えることとなってまして。
何もかも失ってしまった彼が、もうそれにすがるしかないというただひとつの拠り所としてスタンプを集めるその姿は、相当に痛々しいです。
また、この作者にしては珍しく、歪んだ心や明確な悪意を持ったキャラが登場するのもこの作品の特徴。それらの負の感情も、自分自身に対して、あるいは誰かに対する純粋な強い思いの裏返しであるという作りがまた切なさを増しますな。
(1巻目レビューの概要と、採点基準はこちら)
投稿者 bird_chief : 20:34
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2009年12月05日
これが新世代の松本零士イズムか!?剣と女と冒険と、サイバーパンクアドベンチャー! 1巻目の「Fire Fire Fire/佐藤ショウジ」

Fire Fire Fire(1)/佐藤ショウジ
| オススメ度: | ★★★☆☆ |
| 俺これ好き度: | ●●●●○ |
| 万人向け度: | ◆◆◆◇◇ |
| マニアック度: | ■■■■□ |
大地は砂漠と化し文明は大きく後退し、国家というものが消えた無法の世界。
かつて存在した「ニホンジン」の生き残りであり、切れぬものなど無い「カタナ」を手にし、伴侶となる女性を見つけるべく旅を続ける少年と、謎の美女とお尋ね者のサイボーグの三人組による一大娯楽冒険活劇。
わざわざ上等な紙で単行本作るくらいに高い作画レベルによる高精細な絵と、これぞ王道というようなアクション劇が楽しい作品。
あと明記されてないけど松本零士「ガンフロンティア」のオマージュでもあります。
灰色の雲が世界ぢゅうにたちこめ、電波を遮断し人々から通信と情報が奪われた世界。さながら開拓時代のごとく、独立した都市間は荒野を走る鉄道で結ばれ、町の外では盗賊がはびこるという舞台。
主人公は「ニホンジン」の末裔で、直情熱血バカで嘘が大嫌いという少年。そして何かを求めそのためにある組織に狙われるサイボーグ。そしてそんな二人と何かの縁で行動をともにすることになる美女。
どうも彼らの巡り合わせには、「ニホンジン」が大きく関係しているようでして、主人公の持つカタナは、かつてニホンジンにしか精製できなかった謎の金属が使われておりまして。
そのニホンジンと金属を狙い、過去の文明の遺産を保存しようという組織も動き出し、三人のライバル格となるキャラも登場、という具合。
1巻目前半では、三人の出会いと「ニホンジン」にまつわる秘密、そしてこの世界の様子を紹介しつつ、派手なアクションを展開する流れでして。
街を出て共に旅することになる3人の姿を見て、よーやく「あ、これ松本零士のガンフロンティアじゃん」と気付く仕組み。いやまぁ前半部分でも分かる人は分かるだろうけど。「ドテぽきぐしゃ」とかあるし。
男2人と美女1人で荒野を行く旅、男のほうはニホンジンの子孫で日本刀を扱い、幻の民となったニホンジンの行方を求めており。
んで、サイボーグのほうは、全身を包むマントに獅子舞のような大きな面を付け、幅広の穴あき帽子をかぶり、そのシルエットはまんまトチローそのもの。
これだけわかりやすいオマージュも無いっすな。しかしそれが嬉しくもあったり。
CG作画に定評のある作者だけに、緻密で細かい描写が特徴的でして、良い紙を使いきちんとそのへん紙面に再現してくれているのはありがたいところ。
ストーリーのほうは王道冒険アクションながらも、派手なアクションシーンにエロエロな美女達にサイバーパンクなメカ群にと見るべきところは多く、ここまでどっしりしているともはや安心感すらある娯楽活劇となっております。
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投稿者 bird_chief : 23:56
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2009年12月02日
ぴこぴこかわいいネコミミ卓球部員!でも謎のネコミミなのです 1巻目の「ねこみみぴんぐす/まりも」

ねこみみぴんぐす(1)/まりも
| オススメ度: | ★★★☆☆ |
| 俺これ好き度: | ●●○○○ |
| 万人向け度: | ◆◆◆◇◇ |
| マニアック度: | ■■□□□ |
何故だかネコミミ生えている卓球部員の女の子と部員達による、ほんわか萌え系4コマ。
絵の密度があり1コマずつ見応えのある内容。あとネコミミは謎。
一年生の仲良し卓球部員3人組と他校のライバル、先輩などなどによる4コマ。
キャラ中心の部活コメディではあるものの、わりときちんと練習やら試合にやら励んでおります。
んで主人公のひよりさん(ネコミミ)は、いつも一生懸命なんですがいまひとつ成果に結びつかないところがありまして。
でもかわいいからいいやと部員の中ではマスコット的な存在。
ちなみにこのネコミミ、そういう種族とかそういうわけではなく、れっきとした人間なんですが何故かネコミミ付きという設定。
4コマとしてはキャラ主体のオーソドックスなスタイルで、シチュエーションごとにキャラのリアクションを誇張させることでオチとする作り。
このへんネタにもーちょっとひねりが欲しいかなーとは思うところ。
キャラとネタとがストレートに連結しているため、意外性は薄め。
そのため、女の子達がかわいらしく和気あいあいとやってますという印象に終始するか。
しかししっかり書き込まれた作画は安定感があり、1コマずつ萌え絵としての完成度が高い。
特に表紙を初めとするカラー絵の印象の強さはなかなかでして。連載時のカラーページもそのまま再現してほしかったなぁというくらい。絵が気に入れば買ってよし。
(1巻目レビューの概要と、採点基準はこちら)
投稿者 bird_chief : 22:30
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2009年12月01日
タヌキ娘というのもアリだな!フサモフしっぽがかわいい! 1巻目の「PONG PONG PONG!/リサリサ」

PONG PONG PONG!(1)/リサリサ
| オススメ度: | ★★★☆☆ |
| 俺これ好き度: | ●●●○○ |
| 万人向け度: | ◆◆◆◆◇ |
| マニアック度: | ■■□□□ |
スケベでモテないが女好きの男子高校生、祐太が街中にあったお稲荷さんにお願い事をしたところ、巫女さん姿のタヌキっ娘が現れる。
その場に偶然居合わせたクラスメイトの真由や、熱血暴走天然気味の生徒会執行部・高坂先輩をまきこみ、3人と一匹のコメディ4コマ。
ケモ耳しっぽ娘なわけですが、タヌキの太い尻尾てのもいいですな!モフりてぇ。
このタヌキっ娘、八重歯のかわいいケモ耳神様で、自分のことを「わし」と呼び、語尾は「〜なのじゃ」てな具合。
一応神様ではありまして、物言いも態度も尊大ですが、見た目と性格はお子様そのもの。
甘いもの大好きで食い物につられやすいし、すぐ泣くし怖がりで。おまけに神様としての能力もあまり持っておらず。
例えていうならそうあれだ、「残念なホロ」と言ったところ。
んで、そんな残念なホロを校内の使われていない校舎に囲いつつ、同時にそこを新聞部として居を構えることになる祐太と真由とのドタバタ放課後ライフが繰り広げられるという内容。
話の舞台はほとんどこの旧校舎の部室から外に出ることは無く、登場メンバーもほとんど固定で、4コマとしては少しばかり土台が狭すぎやしないかというところですが、読んでみるとそんなこと気にならないくらい楽しい作品。
メインキャラが少なくとも一人一人の個性が強く、シチュエーションの多様性が無くとも個性ある会話劇が成立しているという感じ。
特に、途中から登場する生徒会執行部の高坂先輩がいいキャラしてます。
この先輩、釣り目ショートヘアーのいかにも勝ち気な生徒会役員、という第一印象なのですが、やや中二病の入った思い込みの強さと、かわいいものに目が無いという性格でして。
廃校舎に入り浸る主人公二人の姿を見ては、さては秘密結社かオカルト同好会かと興奮気味に息を荒げ、残念なホロの姿を見ては、強気な態度を崩さずに「ケーキが余っていたのだけれど、幼児に与えてはどうかしら!」とツンデレなのかなんなのかわからん態度で接近してします。変な娘さんです。素敵。
いいキャラが揃ってるんでこれだけでもけっこう読める4コマですが、やっぱシチュエーションの狭さがやや残念か。と思っていると、中盤から後半にかけてキャラと舞台が広がり出し、今後の期待も充分に持てる展開に。
スタート時の設定がほとんど無いようなもんなので、ここから好きに広めていけそうで、どうなっていくか楽しみです。
(1巻目レビューの概要と、採点基準はこちら)
投稿者 bird_chief : 22:45
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