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2009年11月30日
やはり年上!年上萌えが素晴らしいの! 1巻目の「ぱぱこん/さとし」

ぱぱこん(1)/さとし
| オススメ度: | ★★★☆☆ |
| 俺これ好き度: | ●●●○○ |
| 万人向け度: | ◆◆◇◇◇ |
| マニアック度: | ■■■□□ |
母ひとり子ひとりの家族の中に、父親としては若すぎるくらいのパパさん候補がやってきて。
ラブラブな母親と素直になれない娘さんとの同居生活を描くホームコメディ。
お父さんというよりはお兄ちゃんというくらいの父親ができて、心中おだやかでない女の子の姿を中心に描く内容のはずなんですが、なぜだかどーしてだか、目が行くのはお母さんのほうですな。
お母さんの穂乃香さんと一人娘の未来さん。10歳になる未来さんは、家事全般が不得手な母親に代わり、家庭内の炊事選択その他全般を担っておりまして。
未来さんが生まれた頃にはすでに父親はいなかったようで、二人暮しで今までやってきたところ、穂乃香さんが再婚話を切り出しまして、その新しい父親候補というのが、まだ大学生で19歳の智則くん。
若すぎるパパなんて認められない未来さんと、なんとか家族になろうとする智則くんと穂乃香さんに、未来さんのクラスメイトも交えてホームコメディという内容。
パパといったら頼もしくてオヒゲが生えてて、という理想を抱いていたいた未来さんの前に、なんとも頼りなさそうで母親より一回りほども年下の父親候補が現れ。
最初は拒否反応を示すものの、一緒に暮らすうちに徐々に家族として心を開いていくという展開。
年齢差のある三人が繰り広げる三人が繰り広げる、萌え風味のコメディでして。母子家庭の一軒屋住まいとか、大学生でみなしごで文筆業とか、いろいろ現実的なツッコミをしたくなるもののそこはまぁ目をつぶりましょう。
智則くんのことを父親として、異性として意識しつつ、心を許しつつもなかなか素直になれない未来さんのツンデレっぷりもかわいいんですが、やはりこの作品、包容力のある天然系年上キャラ・穂乃香さんと、「泣かせたくなるぽやぽやのふわふわ」な好青年の智則くんとの、歳の差カップルのラブラブっぷりをニマニマとやーらしい目線で眺める漫画です(断言)。
んでまーこの智則くん、わけあって入籍を前にして3人一緒に暮らすことになるんですが、未来さんに嫌われないようにと、エロ本やらなんやらを処分してやってくるわけでして。
が、しかし、そんな智則くんに対して「無理にがまんしなくていいのよ」と優しく誘う穂乃香さんがもうエロいです。
ハートフルストーリーと見せかけて何だこのエロ展開は!と一気に盛り上がるところですが、未来さんに父親として認めてもらいたい一心で、この誘惑をはねのける智則くん。19歳で大学生といったらまぁ男としてもうアレな盛りなくせして、あまりの健気さに同情せざるをえませんな。
主人公の未来さんと読者と同じ目線となって、「そんな歳の差カップルなんてけしからん!うらやましい!みとめられん!」と地団太を踏みつつも、ほんわか展開に和む作り。
しかしまー、こーいういかにもな天然年上キャラって以前はあんま好みじゃなかったんですが。これも歳のせいなのか。
今ならKanonの秋子さんもターゲットにできるんかなぁ。
(1巻目レビューの概要と、採点基準はこちら)
投稿者 bird_chief : 21:20
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2009年11月28日
世界はみんな君の味方で、きらきらと光り輝いている。そんな美しさも感じる作品です。 1巻目の「乱と灰色の世界/入江亜季」

乱と灰色の世界(1)/入江亜季
| オススメ度: | ★★★☆☆ |
| 俺これ好き度: | ●●●●○ |
| 万人向け度: | ◆◆◆◆◇ |
| マニアック度: | ■■□□□ |
最強の魔女の子として生まれ、未熟ながらもスニーカーを履いて美女に変身することで強力な魔法使いとなる少女。
そして、それぞれが魔法使いとしての能力持つ一家の物語。
家庭的で生活感のあるホームコメディでありつつ、「魔法使い」の姿が幻想的でメルヘンチックで、現実の中にあるファンタジーを美しいタッチで描いた作品。
描かれる風景に見惚れちゃうなぁ。
主人公となるのは、小学生の漆間乱。スニーカーを履くことで、誰もが振り向くような美女に変身。
しかし見た目は大人になっても中身は子供のままという彼女が、ご町内を舞台に魔法で騒動を巻き起こすという内容。
最強の魔女として重要な役を担い、一緒に暮らすことができない母親に会いたいという一心で家を飛び出したり、空を飛ぶ魔法は使えないもんだから手製の熱気球を作ったり。そのたびに出会いがあったり家族を巻き込んだりしつつも、本人はいたって無邪気そのもの、てな展開。
「魔法」の扱いがいかにも童話的で、町中をケーキだらけにしたり、絵に描いた木々に鳥が寄ってきたりと子供の夢を絵にしたようなかわいらしさがありつつも、繊細で流麗な筆遣いにより描かれるその風景は幻想と現実との狭間を絵にしたようで、非常に印象的。
またホームドラマとしての側面では家族の暮らしと営みも描かれ、日々の生活がある家庭だけど魔法使いの一家、という特色が巧く出ています。
このあたりがこう、どこか懐かしい雰囲気で、海外のホームドラマや昔のアニメにも似た一種の安心感があるんですな。
しかしながら、話の中心として描かれる変身後の乱の姿がとびっきりに魅力的でして。
とんでもない美女なんだけれど、無垢で天真爛漫な子供の心を持つという、ある意味で理想の女性なんですな。きらきらとして笑顔がまた美しくて、そしてその無邪気さと美しさがドラマを生む展開となっています。
魔女と魔法のホームドラマですが、全編に渡って乱と彼女の家族を包む温かさに満ちておりまして。
世界はみんな君の味方で、きらきらと光り輝いている。そんな美しさも感じる作品です。
しかしまぁ、ずっと眺めていたいような筆遣いだよなー。
(1巻目レビューの概要と、採点基準はこちら)
投稿者 bird_chief : 23:43
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2009年11月27日
時空を超えた、古代ローマと現代日本の風呂の旅!これはオススメだ! 1巻目の「テルマエ・ロマエ/ヤマザキマリ」

テルマエ・ロマエ(I)/ヤマザキマリ
| オススメ度: | ★★★★☆ |
| 俺これ好き度: | ●●●●○ |
| 万人向け度: | ◆◆◆◆◇ |
| マニアック度: | ■■■□□ |
古代ローマで風呂場作りに悩む設計技師の主人公が、現代にタイムスリップして日本の風呂に感銘し、自らの風呂作りに活かすという作品。
古代人がタイムスリップというテーマは分かるが何故に風呂限定!?という奇想天外なアプローチ。
しかしこれが実に面白いのだ。
ここ数年ずっとシャワー派なのだが、これ読むと風呂に浸かりたくなっちゃうわ。
古代ローマの設計技師、ルシウスは新たな浴場のアイディアが出ずに困っていた。
そんな折、気分転換に入った公衆浴場で、突然にタイムスリップしてしまう。行き着いた先は、現代日本の銭湯であった。
そこにある様々な道具やアイディア、そして風呂を楽しもうという人々の気概に影響されたルシウスは、古代ローマに戻ると次々に画期的な風呂場を建設していくのであった。という内容。
古代ローマ人と日本人に、風呂好きという共通性を見出し、現代にある風呂、銭湯、湯治場を古代ローマの技師がどうアレンジしていくかというポイントが見ものでして。
世界に名だたるローマ人としての誇りを持ちながらも、平たい顔の奴隷達(と思っている)の持つ文明力と発想力にいちいち衝撃を受け、プライドを打ち崩されるルシウスの様子が楽しいですな。
基本的にマジメで勤勉なんだけど、他民族の真似事をしているという後ろめたさを感じていたり、奥さんとの関係がうまくいってなかったり、男色家の皇帝にアプローチされたりという苦労人っぷりもいい味出してます。
ルシウスが参考にする風呂場はその時々のテーマによって異なり、銭湯から家の風呂場から、湯治場にメーカーのショールームと幅広い。
そしてそこで彼は、ある時はシャンプーハットであったり温泉卵であったり、オンドル小屋やウォシュレットまでローマに普及させていくわけでして。
このへんさらっとやってますが、当時の文化と現代日本とを比較して、何があって何が無かったのかを把握していないと描けないモチーフでもあるわけでして。
日本の風呂文化の多様性と素晴らしさを改めて知るとともに、古代ローマの文化や社会風俗についても少しかじった気分になれるというわけですな。ウンチクや歴史雑学好きにもたまらない作りです。
しかしやっぱ、古代ローマと現代日本の比較はいいとして、なんでまた風呂限定なんだよ、というところがいいですな。ルシウスもいつもマジメなんだけど、「風呂」というテーマそのものが、全体をゆる〜いトーンで包んでいるようであります。
(1巻目レビューの概要と、採点基準はこちら)
投稿者 bird_chief : 20:01
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2009年11月26日
うちにもこんなペットがいたらと思うと、もう悶絶ですよ 1巻目の「毛玉日和/桜太助」

毛玉日和(1)/桜太助
| オススメ度: | ★★★☆☆ |
| 俺これ好き度: | ●●●●○ |
| 万人向け度: | ◆◆◆◇◇ |
| マニアック度: | ■■□□□ |
ヒト型になってしまった犬や猫が暮らす世界。
動物好きの女子校生、もなかと、元ノラの猫、あずき。
そしてもなかの同級生男子とその飼い犬のコロン、担任の先生とその奥さん気取りのリス、リス子。
三組三様のペットライフ(?)を描く擬人化ホームコメディ4コマ。
ペットがかわいい女の子姿となって、「ああうちの子が人間だったらきっとこんなに素敵」という飼い主の親ばか妄想を形にしたような4コマでして。
「ちょこっとヒメ」や「動物のおしゃべり」と同系統の内容。
擬人化の設定として、動物達はある理由から人型の存在とケモノ型と分かれており、そしてそのことは常識である、という世界観。
こっちの作品では、特にキャラのかわいさが際立っておりまして、3匹が3匹ともそれぞれ異なるタイプですが、みんないいキャラしてます。
気まぐれでツンデレ風味だけど、ほんとは甘えんぼな猫のあずき。
元気いっぱいでいかにもアホ犬丸出しだが、度が過ぎて怒られてばかりのコロン。
んで、押しかけ女房のように先生の元に居着いて、身の回りのお世話もこなしてラブラブなリス子。
彼女達とそれぞれの飼い主のと日々をコミカルに、キャラクターコメディでありつつペットコメディの要素も加えて描くわけですが、これがもーどの娘もかわいすぎてたまらんです。
読みながらデレデレニヤニヤ、鼻の下は延びっぱなしですよ。
「3頭身のこーいう萌えキャラ」だと思ってもかわいいし、「うちのペットが実はこんなだ」と思ってもかわいい。たまらん。
メインキャラが3人(匹)もいれば、好みのタイプも別れそうなもんですが、んもっ、みんなうちの子にしたいくらいかわいい。
ところで、この世界の動物達がヒトの姿になるのは、ちょっとした秘密があるのですが、この秘密にまつわるエピソードがちょっと泣かせる。
(1巻目レビューの概要と、採点基準はこちら)
投稿者 bird_chief : 19:53
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ここまでイジイジしてると、イジメた……いや守りた……やっぱイジメたい。 1巻目の「ダメっ妹喫茶でぃあ/柚木涼太」

ダメっ妹喫茶でぃあ(1)/柚木涼太
| オススメ度: | ★★☆☆☆ |
| 俺これ好き度: | ●●●○○ |
| 万人向け度: | ◆◆◇◇◇ |
| マニアック度: | ■■■■□ |
お客さんは「お兄ちゃん」でウェイトレスは「妹」なシチュエーションを楽しむ「妹喫茶」
そんな妹喫茶で働く、極端な個性を持つ妹さんたちによるドタバタ風味の萌えコメディ4コマ。
主役が対人恐怖症でどうしようもなく暗くてネガティブ、という特徴を持ってまして。
他にもツンデレ高飛車、電波中二病とまぁ、イタかわいいというか、ウザ萌えというか……。
頭身低めの女の子達が、言動に少々問題があるところ、店長やらお客さんやら振り回されてどうのこうのという4コマ。
中心となるいおりさんは、何があってもなくても常にキョドっている対人恐怖症の女の子でして、接客中は常に震え気味でなみだ目。
最初のうちは、いじいじビクビクしている弱気で内気なキャラという扱いなんですが、そのうち本格的にダメ娘として開花。
「常に悪い結果しか考えず、嫌な想像でキョドる」「お祭りや校内行事では常にハブられる」「修学旅行の自由時間は、ずっと一人でしおりを読んでいた」「一対一で5分以上他人と会話したのは、街頭アンケートの時くらい」というどうしようもなさ。このへんのイヤな思い出エピソードの妙な生々しさが、痛々しさに拍車をかけてます。
でも見た目がちんまりとかわいいのでどうにかなってる。
あと、一緒にバイトしてる中二病娘もヒドいもんなぁ。
ファンタジー妄想が行き過ぎちゃって、魔王だ魔界だ闇の組織だと本気で口走るという、かなりアレな娘。
でもやっぱり見た目がかわいいので許されてます。
キャラ設定だけ見ていくと、もはや社会に適応できないんじゃないかというレベルですが、絵ヅラとしてアリならもうこういう女の子もOKなんだなぁ。
(1巻目レビューの概要と、採点基準はこちら)
投稿者 bird_chief : 19:50
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2009年11月24日
緋鍵龍彦はホンモノだった!怪しくも美しい愛とバトルと「殺害遺品」の物語 1巻目の「断裁分離のクライムエッジ/緋鍵龍彦」

断裁分離のクライムエッジ(1)/緋鍵龍彦
| オススメ度: | ★★★★☆ |
| 俺これ好き度: | ●●●○○ |
| 万人向け度: | ◆◆◇◇◇ |
| マニアック度: | ■■■□□ |
殺人鬼の凶器が呪いを受け、血を継いだ者に殺人の衝動を起こし特別な能力を発揮する「殺害遺品」を巡る戦いと、呪いの中心となる少女を守り「殺害遺品」のひとつを所持する少年の物語。
悪く言えば中二病的な構成をきわどいバランスでうまくまとめあげでおり、作品世界へ巧いこと没入させてくれる漫画。どこか淫靡で背徳感漂う雰囲気が良いね。
学園コメディ+ラブコメ展開にダーティーなファンタジー設定が加わった作品。
ちょっと異様なまでに他人の髪を切るのが大好きな少年。
そんな少年が、どんなハサミでも切ることができない髪を持つ呪われた少女と出会う。
少女の周りにはなんともいわくありげな連中が集っているが、そこで少年は自分と自分の持つハサミに秘められた秘密を知る。
そして、呪われた少女を狙う殺人鬼の子孫たちと、殺人鬼の遺した凶器「殺害遺品」(キリンググッズ)を巡る闘いに身を置くことになる。てな展開。
バトル要素のあるファンタジーアクションとしてなかなか凝った設定と、陽気な学園コメディが一転して陰惨な殺し合いになるという作りに特徴を持ち、またキャラの語りと作りこみによる雰囲気が作りが巧い作品。
制服来た学生身分の少年少女達が、先祖の因果に縛られ、苦しみ、殺人の衝動に駆られバトル展開、というわけなんですが、何かが足りなかったり何かが過剰だったりすると途端に悪趣味になったり軽薄になったりしそうなところを、ぎりぎりのところで緊張感のあるシリアスなサスペンス劇とキャラクターコメディとを両立させております。
んで、主人公とヒロインとの関係がいいですな。
呪われた髪を持つ少女と、ただ一人少女の髪を切ることができる少年。
髪を切る、髪を切られるといった関係を、恋人同士として描くと同時に、凶器を持つ殺人鬼と、その殺人鬼に望んで殺される者に例え、一周回った愛情はどこか変態的であり、殺人の代替行為にふける二人の姿は倒錯的でぞくぞくとしてくるんですな。
愛撫するように髪を撫で、その愛撫を受け入れる少女。これがまたエロチシズムを存分に喚起させてくれます。
前作の「唐傘の才媛」でも似たような要素を持つ作品でしたが、あの時の粗削りなイメージを随分と払拭させてくれました。モノローグを中心とした展開により、落ち着きと安定感が出てます。
(1巻目レビューの概要と、採点基準はこちら)
投稿者 bird_chief : 22:15
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2009年11月18日
ドライで残酷なバイオレンス。おぞましくとも目が離せない……。 1巻目の「ブラステッド/室井大資」

ブラステッド(1)/室井大資
| オススメ度: | ★★★☆☆ |
| 俺これ好き度: | ●●●●○ |
| 万人向け度: | ◆◆◇◇◇ |
| マニアック度: | ■■■□□ |
流されるままにヤクザ家業を続ける一人の男と、何もかも失った男とが、ある一団と暴力団との争いに巻き込まれ、その中で自らの生きる道を探っていくというドラマ。
前作「イヌジニン」の時よりもさらに苛烈になった暴力描写が見もの。クセが非常に強い作風ながらも目が離せない魅力のある作品。
主人公、穂村は中堅暴力団に属する末端の組に所属する暴力団員。
周囲に流されるまま成り行きでヤクザ稼業を続けている彼は、傘下にあるバーの経営と組の経理を任され、暴力団の中にありながら荒事とは無縁の暮らしを送っていた。
そんな彼がある日、死体の処理を命じられる。同行するのは、顔面に大きな傷跡を持つ「顔」と呼ばれる巨躯の男。
ところが仕事を終え組に戻ってみると、事務所には死体の山が築かれ、4人の襲撃者達がそこにいた。
謎の4人組を追うべく、組の上層部が動き出し、穂村と「顔」は否応無く血で血を洗う暴力の渦中に身を置くことになる。
道を誤っているという自覚がありながらもどうすることもできず凄惨な現場に身を置くことになる穂村と、過去に大きな傷を抱え、穂村の存在をよりどころに生きる理由を探す「顔」。
そして、そんな二人を容赦の無い暴力の渦が取り巻いていくという作品でして。
概要だけとらえるとバイオレンスアクションのようなものではあるんですが、もっと内面的であり、逆らうことのできない流れの中で哀れな「個」がどのように変化していくかを描いたストーリーでして。マンガ的というよりは映画や小説に近い雰囲気。
また、内容が内容なだけにかなり生々しくエグいシーンの連続ながらも、そのどれもが描写として非常に乾いており、淡々と展開されるのも特徴。
過激ではありながら終始冷たく、誇張の無い構図が続き、それゆえに背筋の冷えるような凄味があるのだ。北野武映画における暴力描写にも似ているかな。
手製の武器で組員を皆殺しにする4人組。捕らえた敵を拷問にかけるヤクザ達。
極めて静かに描かれるそれらには、ドラマとしての盛り上がりや感情の起伏といった要素が削がれ、ただもう「行為」のみが残ることにより、凄惨さが際立つといった具合。ただひたすらに暴力の行使が続き、そこであがくことになる主人公達の姿が語られるわけだ。
そして不思議なことに、そんな暴力の連続が、何故かまた見たくなるような凄さがあるんですな。かっこよくもなければことさらグロテスクなわけでもなく、乾ききった野蛮の世界。けれども目が離せない。そんな魅力のある作品です。
絵の面においても静かな作風なもんで、とにかくこれは読んでもらわないと面白さが伝わらないだろうなぁ。
(1巻目レビューの概要と、採点基準はこちら)
投稿者 bird_chief : 23:42
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2009年11月17日
18世紀末のイギリスに実在したこの怪人の生き様に、衝撃の連続! 1巻目の「解剖医ハンター/吉川良太郎・黒釜ナオ」

解剖医ハンター(1)/吉川良太郎・黒釜ナオ
| オススメ度: | ★★★★☆ |
| 俺これ好き度: | ●●●●○ |
| 万人向け度: | ◆◆◆◇◇ |
| マニアック度: | ■■■■□ |
近代への夜明け前。18世紀後半のロンドン。
「ドリトル先生」「ジキルとハイド」のモデルと言われ、古典医学への妄信と宗教の壁を乗り越え解剖を繰り返し、近代外科医の礎となったジョン・ハンター。
彼の生き様をその弟子となる青年の視点から、さながらブラックジャックのようにドラマチックに脚色した医療ドラマである。
これはオススメ。
田舎から医者を志してロンドンへやってきたエドワード。彼の前に現れたのは、墓を暴き死体を掘り返し、持ち帰っては遺体を切り刻む男であった。
彼の屋敷には世界中の動物が練り歩き、死者の内臓が標本として並べられており。
男の名はジョン・ハンター。世間からは墓泥棒や怪人との悪評を立てられながらも、合法非合法を問わず入手した人体を徹底的に解剖し、旧来の医学と真っ向から反発する異端の医師であった。という流れ。
このジョン・ハンターのキャラクター性がひときわ光っておりまして。狂気にも似た人体への飽くなき探究心と未知への好奇心。そして、なりふり構わぬ傍若無人な悪徳っぷり。ブラックジャックと呼ぶには荒々しすぎるこの男。
しかし、生命と医学に対する人一倍強い情熱が、熱い男のドラマとなっているんですな。
死体を切り刻むだけかと思われていたこの男が、当時の医療の現場では考えられない常識外れの施術を行うその姿が話を盛り上げております。
また、産業革命前夜における社会風俗や医者と病気の実情、そして宗教と科学の対立など、当時の文化が余すことなく紙面に表現されておりまして。中世と近代の境目にあるイギリスの世界がそのまま絵として見て楽しめますな。
特に、大きな時代の変化による急速な発展を遂げるとともに様々な都市問題が浮上してきた当時のロンドンの姿がいいですな。
1巻目後半のエピソードでは、「クック船長」として名高いジェームズ・クックが登場するわけなんですが、生命と人体への求道者であるジョン・ハンターと、世界の海と見知らぬ土地への探求を続けるクックとの対比がまたアツイんですな。
ちなみに、この作品の狂言回しとなるジョン・ハンターの弟子エドワード。実は彼も実在の人物でして。
ストーリーとキャラの魅力もさることながら、18世紀後半のイギリスという特異な時代そのものへの興味をかきたてられる内容となっております。
(1巻目レビューの概要と、採点基準はこちら)
投稿者 bird_chief : 23:36
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2009年11月16日
僕らのペンギン帝国が帰ってきた!……あれ?敵のほうが引き継ぎ? 1巻目の「健全ロボ ダイミダラー/なかま亜咲」

健全ロボ ダイミダラー(1)/なかま亜咲
| オススメ度: | ★★★☆☆ |
| 俺これ好き度: | ●●●●○ |
| 万人向け度: | ◆◆◇◇◇ |
| マニアック度: | ■■■□□ |
世界に迷惑をかけようという悪の軍団、ペンギン帝国。その野望を打ち砕くために開発された決戦兵器・ダイミダラー。しかしそのパイロットはエッチなことをしないと戦闘力が上がらないのだった!
地球の平和のため、今日もセクハラ三昧で戦うヒーロー、ダイミダラー!
というノリで送る、おバカエロギャグコメディ。
ロボと熱血とセクハラとペンギン。前作「火星ロボ大決戦」の時となんも変わってない(4コマではなくなったけど)。
が、このマンガはそれでもういっこうにかまわないのだなぁ。
セクハラしないとエネルギーが沸いてこないというセクハラ熱血高校生が、ヒロインのおっぱい揉んで服を脱がしてどうこう、という設定であり。
味方がこんなんなら敵も阿呆ばかりでありまして。エロだけかと思いきやけっこうちゃんとナンセンスギャグやってるのが良いっすな。
ちなみに敵方のペンギン帝国の面々は、4コマであった「火星ロボ大決戦」の時も出ていましたが、ペンギン連中以外は共通点が無いので、外観と設定だけ引き継いだという感じでしょうか。
使いまわし見えるところですが、なんせこのペンギン連中、外観といい言動といい主役を食うほどの存在感があるもんで。
悪側のキャラクターとしてこれ以上のものを出すのも難しいでしょうし、それにまたこいつらが拝めて嬉しいファンもいたりする。ここに。
エロとバカとギャグではあるものの、根底に流れる巨大ロボット物としての熱さと迫力はなかなかしっかりしたもんでして。
熱血ロボットアニメの雰囲気を多分にリスペクトしており、下ネタまみれだろうとアクション作としてまっとうに読めるのがまたタチが悪い(褒めてる)。
表紙も無駄にかっこいいしなぁ。というか詐欺レベルだろこれ。こーいう悪ノリはスキだ。
(1巻目レビューの概要と、採点基準はこちら)
投稿者 bird_chief : 23:45
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2009年11月14日
役に立たないけど頼もしい、そんなナイスガイ・招木猫太郎さん! 1巻目の「まねこい/モリタイシ」

まねこい(1)/モリタイシ
| オススメ度: | ★★★☆☆ |
| 俺これ好き度: | ●●●○○ |
| 万人向け度: | ◆◆◆◆◇ |
| マニアック度: | ■■□□□ |
地味でさえないが、心に秘めた恋をしている普通の高校生の元に、持ち主の願いをかなえてくれるという招き猫がやってくる。
不思議アイテムで願いをかなえてくれるのだが、その効果はいまひとつ。だがしかし、主人公の恋のために、手取り足取りアドバイスをしていくうちに、少しずつ彼女のお近づきになっていき……。というラブコメ作。
ぱっとしない主人公に対して、愛しの彼女は全校生徒憧れの同級生。顔もかわいいし成績も優秀だしスポーツ万能という完璧な少女。しかし何やら秘密がある様子。
そして、主人公の恋をサポートするべく現れた招木猫太郎さん。猫ではあるんだが見た目はなんか無愛想だし関西弁だし言動がおっさん臭い。
ところがこの招木猫太郎さん、招き猫としては金運を呼ぶ右手を上げた招き猫でして。恋の悩みは専門外。
いちおう、アイテムを使ってちょっとした望みをかなえてくれるものの、「彼女の秘密が分かる」とか「10秒だけ覗き見できる」という微妙なものばかり。
フシギ能力があんまり役に立たないのにどーするの、と思っていると、実は奥さんがいて人生経験も豊富な招木猫太郎さん。
女性関係における先輩として、主人公の後ろから、時に強引にサポートすることで、奥手で気弱だった主人公が少しずつ行動を起こすようになる、という展開。
遠くから見ているだけだった彼が、猫太郎さんの強制的な指導により、まずは挨拶から始まり少しずつ会話できるようになっていくその姿は、こう、微笑ましくて自然と応援したくなってきますな。
便利アイテムがあったとしても、結局のところ自分自身が変わらなければ恋のひとつもうまくいかない、というスタンスが好感の持てる作りでして。猫太郎さんはあくまで裏方に徹しているんですな。
形としては少年向け純愛ストーリーということになるんですが、そこに猫太郎さんとのドタバタと強引さが話をかき回し、ささやかな恋愛エピソードのはずが、先の読めないハラハラもあったりします。
しかしこの作者、デビュー作からずっと「少年の純愛」を描くのが巧いよなぁ。
(1巻目レビューの概要と、採点基準はこちら)
投稿者 bird_chief : 23:56
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2009年11月13日
鹿児島で「咲 -Saki-」を放送するにあたってのちょっとした話
またもちゃんとした告知が一歩出遅れてしまいましたが、
12月3日(木)深夜より、咲 -Saki-の放送開始です。
アニメ公式サイト
KTSサイト内告知
いちおうひょうたん書店のスポンサー枠なんですが、ちょこちょこ話を聞いてみると、
*************************
局の方から怒られたので削除
*************************
いやねー、実はねー、これでも全然OKなんだけど、
アッチのアレにしようといろいろ動いてたもんだからねー。
投稿者 bird_chief : 23:39
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2009年11月12日
ホラーとバイオレンスに負けないヒロインの純愛が光る! 1巻目の「聖者は夜やってくる/神崎将臣」

聖者は夜やってくる(1)/神崎将臣
| オススメ度: | ★★★☆☆ |
| 俺これ好き度: | ●●●○○ |
| 万人向け度: | ◆◆◇◇◇ |
| マニアック度: | ■■■□□ |
「一度死んだ人間をもう一度殺すことができる」という孤独な殺し屋と、彼と出会い彼の悲しみを知った女性刑事による、オカルトでエロスでバイオレンスなラブロマンス。
お色気過多な新書ノベル風オカルトアクションかと思いきや、主観はヒロインのほうにあり、実はラブストーリーであったという意外性のある作品。
殺し屋のほうは、過去に悪霊を退治する能力を授けられ、そのせいで家族や恋人を悪霊に奪われてきた男。
ヒロインである女性刑事は、ある陰惨な殺人現場で彼と遭遇。孤独に戦う彼を追ううちに、いつしか恋に落ちるが、という展開。
アクション部分もなかなか迫力があるものの、あくまでヒロイン視点で描かれる内容でして、「危険で孤独な男に惚れてしまったヒロイン」という図式は少女漫画に近いですな。
そのため、内容はホラーサスペンスなのに、ヒロインの純粋で一途な想いが清らかな華を添える格好となっています。
また、悪霊を退治した後は女性を抱かないといけない、という体質の彼氏なんですが、まっすぐな想いをぶつけるヒロインのことはあえて遠ざけるように振る舞い、そんな彼の様子を見て、自分に魅力が無いのかと落ち込む彼女がなんかかわいい。
このへんのすれ違いも少女漫画っぽいんですな。
とはいえやってることはエロとバイオレンスなもんで、ヒロイン側も「あたしの体、好きにしていいんだよ」と言い出すわけで。純愛なんだけれどいろいろと面倒な手順をすっ飛ばしたエロ展開で色気のある作品となってます。
ハードボイルドでダーティーなんだけど、ほんとこのヒロインがかわいいんだよなぁ。
(1巻目レビューの概要と、採点基準はこちら)
投稿者 bird_chief : 23:10
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2009年11月11日
漫画家として、読み手として、そしてカップルとして成長していく二人の姿がいいね! 1巻目の「コミカプ/後藤羽矢子」

コミカプ(1)/後藤羽矢子
| オススメ度: | ★★★☆☆ |
| 俺これ好き度: | ●●●○○ |
| 万人向け度: | ◆◆◆◇◇ |
| マニアック度: | ■■□□□ |
幼い頃からマンガ好きで、互いにマンガを描いては見せ合ってきた幼なじみの男女。
男の子のほうが漫画家デビューを果たし、女の子はそこでアシスタントとして働くことになるというラブコメ4コマ。
同じ部屋でマンガの製作に取り組む二人ではありますが、プロの世界の厳しい現実を垣間見たり、読み手としてライバルとして意見し合ったり。そして幼なじみとして支えあったり。
一組の男女が、そのシーンごとに互いの立場を変え、その時々で同じキャラが異なる表情を見せるのがいいですな。
時間軸のあるストーリー物としての展開もあり、人気漫画がアニメ化したと思ったらうまくいかなくなったり、アシスタントを雇ってみたらなんか気に障る奴だったり。そして、ヒロインの女の子自身も、原稿の持ち込みを繰り返すうちに新たな可能性を見つけ、自身の作品を固めていくというストーリーを見せています。
このへん、プロを目指す彼女とプロとして第一線で頑張る彼氏と、二人の主人公を持つ物語としてもなかなかドラマチックにできておりまして。
しかし基本的にほのぼの4コマなので、肩の力を抜いて読めるのもポイントとなっております。
モチーフがマンガ家であるだけに、ちょこちょこと「ああ実際にこういうことあるんだろうなぁ」と思わせるところも。
アシスタントとしてはベテランで口も達者で技術を見せびらかすが、プロアシ呼ばわりすると激怒する奴とか、本編の枠外に落書き程度に書いてたキャラのほうが面白かったのでそっちメインにしたら成功したとか。
そーいう、さりげないけどありそうな話が面白いっすな。
投稿者 bird_chief : 22:59
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2009年11月10日
ずっとファンでした!小池定路オリジナルコミック登場! 1巻目の「魔法少女チキチキ/小池定路」
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魔法少女チキチキ(1)/小池定路
| オススメ度: | ★★★☆☆ |
| 俺これ好き度: | ●●●○○ |
| 万人向け度: | ◆◆◇◇◇ |
| マニアック度: | ■■□□□ |
ごく普通の大学生のもとに、妙に大人びた言動の魔法少女がやってきて、というショートページコメディ。
ラブコメ要素もあるものの、日常のささいなシチュエーションを中心にしたキャラクターコメディという風合い。
PCゲームの原画やってた頃からのファンだったもんで、コミック作品が読めるというんで随分と単行本化を待ち焦がれておりました。
魔法の国からやってきた、修行中の魔法少女チキチキ。
なんでも願いをかなえるということで普通の大学生の部屋に厄介になることに。
で、この大学生の所属するサークルの部室やら、魔法少女オタクの部長やら恋するカレー屋の看板娘やらを交えてコメディ、という感じ。
ファンシーでほのぼのしており、雑誌の中での箸休めのような位置付けか。
ちんまいころころとしたショートページ作ということなのか、キャラの作画はデフォルメ気味の頭身にくっきりとしたタッチでポップに描かれ、「大正野球娘」の挿し絵とは若干異なる印象を受ける。
が、さりげないひとコマでの構図の凝り方に虚を突かれてはっとすることも。
あと基本的にほんわかコメディーなのに、たまに泣かせようとしてくるのがズルい。#18の話とかやばかった。
力を抜いてゆるゆると読む内容ながらも、絵の良さは随所に見られる作品。
欲を言えばもっとカラー絵見たかったなーとも。あの淡く繊細な色使いをまた見たいもんだ。
投稿者 bird_chief : 22:15
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2009年11月09日
少しずつ剥かれるように表情を変えるヒロイン達が素敵です! 1巻目の「キミイロフォーカス/千明太郎」

キミイロフォーカス(1)/千明太郎
| オススメ度: | ★★★☆☆ |
| 俺これ好き度: | ●●●○○ |
| 万人向け度: | ◆◆◇◇◇ |
| マニアック度: | ■■■□□ |
報道カメラマンを目指す写真好きの少年が、美人部長率いる写真部へ入部。
しかし彼は、女の子を被写体として捉えたとき、隠された魅力を暴き出し、その全てをファインダーに収める天性の「アイドルメーカー」だった!という設定。
要約すると、カメラを持つと人が変わる主人公が、一流のグラビアカメラマンのごとく、女の子達を次々とその気にさせて色気たっぷりの写真を撮っていく、という内容。
基本的には、露出度高めのお色気部活ラブコメとして展開する本作。
カメラの撮影により豹変する主人公がヒロインを剥いてくところが見せ場ですな。
ただの高校生である男女が、一転してグラビアカメラマンとアイドルのような関係となり、おとなりさんの同級生が、アイドル志望の年下の女の子が、自らの秘められた魅力を開花させていくという具合。
様々なシチュエーションの下で、被写体としてその気になったヒロイン達がえっちく、色気たっぷりに表情を変化させ、撮影されることに対する恥じらいからその向こうにある美しさに至るわけでして。
当然ながら、シチュエーションと衣装に合った様々なポーズに表情が堪能できるわけですが、女性キャラをちゃんとキレイに描ける自身が無いとこういう作品はまず描けないわけで。
お色気ラブコメの枠の中にあってなかなか挑戦的ですな。
真剣に、情熱を持ってヒロインに迫り、あられもない姿とその表情を時に馬乗りになってでも追求する主人公。
なんちゅかこう、直接的なエロよりもエロいっすな。
投稿者 bird_chief : 22:29
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2009年11月07日
岩原流サスペンスは健在だ! 1巻目の「DARKER THAN BLACK 〜漆黒の花〜/岩原裕二」

DARKER THAN BLACK 〜漆黒の花〜(1)/岩原裕二
| オススメ度: | ★★★☆☆ |
| 俺これ好き度: | ●●●○○ |
| 万人向け度: | ◆◆◆◇◇ |
| マニアック度: | ■■□□□ |
(楽天内ひょうたん書店通販ページ)
「契約者」と呼ばれる異能力者達が存在する世界。
契約者によると思われる殺人事件を追う中で、ある大事件の中心人物である「BK201」の存在を察知した警視庁公安部の捜査官が、契約者同士の争いに関わることになる、という内容。
アニメ作品のキャラクターデザインを手がけた著者によるオリジナルエピソードという位置付け。
単なるコミカライズにとどまらない、作者特有の展開も見もの。
契約者ごとに能力がそれぞれ決まっており、異なる能力同士でのバトルと、契約者に関わってしまった人々を巻き込むサスペンス展開がストーリーの軸となっております。
アニメのストーリーが前提となっており、1期目と2期目の間に位置するエピソードということなので、前置きや設定、キャラの説明については知っていないと少しばかりとっつきづらいか。でもそんな入り組んだことはやってないんで、問題なくすんなり読めるはず。若干、キャラの背景情報は欲しいけど。
話のほうは、「BK201」が追う契約者が、普通の人々を契約者に変身させていくなかで、心に傷を負ったひとりの少女がその手にかかり、憎しみと友情との間で苦しみながらも契約者として目覚めてしまう、というテーマが中心となっています。
異能力を用いてのバトル展開でありつつも、思春期の少女達の悩みや苦しみといった内面的なところに話のウェイトを置き、そこにある葛藤と成長をモチーフとする作りは岩原作品でよく見られるところ。
位置付けとしては、アニメ原作に対するマンガ版ではあっても、きちんとこうして独自要素と個性が発揮できるってのは強いですな。
バトルとアクションがありつつサスペンス風味のシリアス展開はなかなか緊張感があって読み応え有りでして。
そこに来て、事件の筋書きをなぞるだけではなく、登場人物の内面にもドラマ性を持たせて盛り上がってくる作品。
似たような構造の作品は多くとも、やっぱどこか、華と個性があるんですな。
(楽天内ひょうたん書店通販ページ)
投稿者 bird_chief : 23:21
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2009年11月06日
「CAPTAINアリス」のヒロインが素敵すぎるのであらためてオススメしてみる
先日1巻目が発売された「CAPTAINアリス」
高田裕三氏がビジネス系誌に籍を移しての新連載でありまして
常識外れの女性パイロットが活躍する内容ですが
ヒロインがあんまりにも強烈な印象を残してくれた1巻目だったもんで、彼女を中心にあらためてのご紹介
主人公は長谷川ありす
26歳独身

エリート操縦士であった父親にシゴかれ、類い希な操縦技術を身に付けながらもパイロットとしての適正に欠けており
あちこちの航空会社から追い出された挙げ句、現在は貨物便の副操縦士をやっております
↓父親の英才教育を受けるありすさん(ロリ)

……無駄にペドい……
さて、そんなありすさん、今日のお仕事は成田発ロス行きの401便
ところがこの仕事、ただの貨物便なのに親会社の社長の息子が同乗、というなにやらいわくありげな様子
そして順調に思えたフライトでしたが、案の定トラブル発生

アラスカ洋上にてエンジン全停止、おまけに機長が負傷するというおまけつき
父親のおかげで不測の事態に対してめっぽう強いありすさん、冷静に対処にあたるものの事態は好転せず
ついには出血のため操縦できなくなった機長から操縦桿を預かることになるのですが……
「誰もが避けたがるこの深刻な事態が──
死ぬほど楽しいいいっっ」

と、大事故に繋がりかねない状況を前にしてこの表情
鬼か悪魔か何かかと
同乗者もドン引きです
この小娘パイロット、徹底的な英才教育の結果、生きるか死ぬかの瀬戸際に歓喜し、快感を見いだすとんでもない性格となっていたのですな
でもやるべきことはしっかりやる主人公

かっこいいです
が、無事に着地を果たしピンチを切り抜けたところで、再びこの表情

ヤバいです
危ないです
墜落しかねないシチュエーションにスリルとサスペンスを求め、自分が楽しんじゃうというパイロット
彼女の乗る飛行機には何がなんでも乗りたくないです
(というか主人公補正のせいで、たぶん彼女が関わる旅客機は全部危険です)
この作品、ビジネス系漫画ならではの、「プロフェッショナルの世界で型破りな主人公が事件を解決する」というスタイルではあるんですが
高田裕三氏の手により描かれる美少女が主人公であるという点
そして、その美少女が、色々と危ない性格であるという点
このへんも魅力のひとつとなっております
他にも、危機的シチュエーションの作り込みや、トラブルと解決法との因果関係の提示も丁寧で分かりやすく
その上エピソードごとのカタルシスも爽快で、キャラの良さを抜きにしてプロットだけ見てもよくできた作品です
最後に
1巻目中2つめとなるエピソードでの
旅客機を率いての着陸態勢に入った長谷川ありすさん

数百人の命を預かるパイロットの顔にはとても見えません
敵の首でも刈りに行くかのような凶悪な面構えです
美人でかっこよくて、ブチ切れててアブない
そんな彼女が素敵なんですよ。
投稿者 bird_chief : 23:30
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2009年11月03日
超強気!超男前!超強い女子高生!これはあれか、ドMホイホイか!? 1巻目の「マジョリン/よねやませつこ」

マジョリン(1)/よねやませつこ
| オススメ度: | ★★★☆☆ |
| 俺これ好き度: | ●●●○○ |
| 万人向け度: | ◆◆◆◇◇ |
| マニアック度: | ■■□□□ |
(楽天内ひょうたん書店通販ページ)
ごく普通の女子高生として、兄弟のような幼なじみとともに過ごしてきた主人公、倫子。
しかし彼女は、名門の一族に生まれ強大な魔力を持つ魔女であり、「結婚相手は自分で選びたい」という意思の元、魔法協会と反発。
そして彼女の元には結婚コーディネーターによる「お見合い」と称し、結婚を賭けて魔法使い達が決闘を挑みに来るものの、それを片っ端からぶっ飛ばしてゆくという内容。
基本的にドタバタコメディとして展開する本作。
男勝りでいかにもイケメンな女の子と、おとなしくて天然気味な男の子のカップルによる少女漫画っぽくもありまして。
ファンタジーコメディとして見れば、花とゆめあたりに載っていても違和感の無いレベル。中身もそのくらい読みやすいしね。
特徴はもうただ1点、倫子さんの男前っぷりに惚れこむような内容でして、魔法使いからお見合い相手としてやってくるウザイ男どもをぶっ飛ばしております。
つりあがった目とショートカットに、粗暴で喧嘩っぱやいが好きな彼氏には一途で一直線。そんなイケメンっぷりに、読み手が男だろうと乙女回路が発動しそうなヒロインしてます。
特にソフトMはこーいう姐御タイプに弱い。
んでそんな彼女が魔法の杖で変身して、ヒラヒラレースのかわいい魔法のドレスで恥ずかしがるとこなんかがたまんないっすな。
ストーリーはというと、変態やらド変態やらの魔法使いとの読みきり単発ドタバタ劇を繰り広げつつも、人間と魔法使いの間との確執や、ヒロインと彼氏との危ういバランスの上に成り立つ関係、倫子さんに秘められた謎などなど、長編展開を踏まえたシリアス要素もちりばめておりまして。長めに付き合っていく分にも問題なさそう。
ゼロサム系でキレイ目の作品ですが、登場キャラが良い意味で垢抜けていないところに愛嬌があり、鼻につかないので男性でも読めますな。
やはりそのまんま、花ゆめ系のファンタジーとかお好きな方に。
(楽天内ひょうたん書店通販ページ)
投稿者 bird_chief : 21:41
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2009年11月02日
気軽に読めるのに、心に残る「本と人との想い」がいっぱい! 1巻目の「鞄図書館(1)/芳崎せいむ」

鞄図書館(1)/芳崎せいむ
| オススメ度: | ★★★★☆ |
| 俺これ好き度: | ●●●○○ |
| 万人向け度: | ◆◆◆◇◇ |
| マニアック度: | ■■■□□ |
(楽天内ひょうたん書店通販ページ)
ありとあらゆる書物を収めた図書館を、自らの体内に秘めた言葉を喋る鞄と、その鞄を手に世界中を旅して人々に本を貸す「鞄図書館」と、彼らが出会う人々と本にまつわるささやかなドラマを描くショートページ作。
1話8ページと短いながらも、うっかり泣いちゃうような、そんな話が詰まってます。
ゲーテを引用するインテリなもの言う鞄。その中には広大な図書館が広がっており、人類が残した書物が全てそこにある。
「鞄図書館」は長い時の流れの中を旅して回り、書物を収集し、人々に貸し出し、貸した本は一年後に取りに来る、という設定。
永遠の時を生き、人間の書物の歴史を全て所有し、相棒との長い旅を続ける、というキャラが素敵です。が、その割りにひどく人間くさいのがいいですな。たまに喧嘩するし。
旅の中で出会う人々と、ドラマと、話にまつわり登場する実在の「本」とがうまく噛み合わさり、味わい深い連作となっております。
登場する書物登場するのはペーパーバックから絵本から古代の失われた書物まで様々。その本に関するフォローはストーリー中にはなされないのですが、話の組み立てはその本が何かを知らなくとも充分に感情移入できるようになってます。
もちろん、知っていればより楽しい。
また、単純な人情話にもならず、鞄の中の世界と、鞄図書館という存在そのものが幻想的なのもいいですな。
8ページショート読みきり、という構成もこの話によく合うのか、感傷的でも湿っぽくならず、スッキリとおさまりが良いのに後を引く読後感があり、話の種類は豊富なので、どれかは必ず気に入るはず。
(楽天内ひょうたん書店通販ページ)
投稿者 bird_chief : 21:00
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