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2008年11月07日
1巻目の「Boichi短編集HOTEL/Boichi」

Boichi短編集HOTEL/Boichi
オススメ度:★★★☆☆
俺これ好き度:●●●●○
(楽天内ひょうたん書店通販ページ)
ひょうたん店長、大興奮!これは素晴らしいSF短編集だ!
モーニング誌にて掲載された作品をまとめたSF短編集。
話の種類には幅があるし、どの物語もあっと驚く展開があるし、作画レベルも高いしで、非常によく出来た1冊。
コアなSF好きならこれは絶対買え、とまで言い切っていいレベル。
滅亡の危機に瀕した人類と、「HOTEL」の支配人となり全てを見つめる人工知能の物語となる表題作を始め、ある男女の愛と別れを見事な仕掛けで読ませる「PRESENT」。
マグロにとりつかれた妄信的な一人の研究者が巻き起こす壮大なギャグSF「全てはマグロのためだった」。
ある女性が子供を宿したことが思わぬ事態へと移りゆく「Stephanos」。
強大な帝国に闘いを挑んだ一人の女性の姿をフルカラーで描くショート作「Diadem」。
この5編に2ページショートをいくつか加えての1冊でありまして。
最初から最後まで、全ての話に異なる面白さとストーリーがあり、飽きない上に何度も読める出来の良さがありますな。
オビの文句を借りれば、「科学も愛もグルメもギャグもお色気も」というほどに多彩。
SFとしては、古き良きSF小説を思わせる設定や展開が多く、「あ、どっかで読んだかなこれ」と一種の懐かしさを持って読めるんですが、構成の巧さと意外性により、陳腐にならずに新鮮な気持ちで読めるんですな。
また、SFとして古典的ではあっても、読んでるこっちの想像力を上回るビジュアルイメージが非常にパワフルであり、緻密さとスケールの大きさを表現できるだけの画力に引き込まれ、ストーリーをより引き立てるようになっています。
ただ絵のタッチや造形センスは少々古臭く、90年代の大友克洋、士郎正宗、寺田克也あたりの世界観をごっちゃに混ぜて割ったような感じでして。
重厚さや壮大さをいかんなく描ける力はあるんですが、この濃さとイメージセンスは今の読者にとってはどうかなー、と危惧するところではあります。
ま、だからっつって絵柄だけで食わず嫌いするにはあまりにもったいないわけで。「絵がちょっと…」とか言う奴がいたら泣く。
古き良き懐かしいSFを、直球で、全力で、真正面から描いた作品群。
パワフルで情熱的なのに、愛とワンダーに満ちておりまして。読んでてつくづく「ああ、いいなぁ」と思わせてくれます。読みながらニヤニヤしっぱなしでした。
(楽天内ひょうたん書店通販ページ)
投稿者 bird_chief : 2008年11月07日 23:23
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