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2008年10月30日

1巻目の「カブのイサキ/芦奈野ひとし」


カブのイサキ(01)/芦奈野ひとし
オススメ度:★★★☆☆
俺これ好き度:●●●○○
 
(楽天内ひょうたん書店通販ページ)
   
「ヨコハマ買い出し」完結から長いこと待ち焦がれましたよ!

大きく変容してしまった未来の地球の、日本のとある場所において。
大きな環境の変化にありながらも、静かに粛々と日々の生活を送る人々と、一人の若者の姿を追う静かなSFドラマ。
「ヨコハマ買い出し紀行」に準ずる世界観を持ちながら、あの独特の作品世界をそのままに引き継ぐ作品。
ゆったりとほのぼのと、しかしどこか物悲しい。

 
主人公となるのは、ようやく一人で飛行機に乗れるようになった一人の青年。
この世界では、町と町との間が遠く離れてしまっているため、どこへ行くにも飛行機が必要となっており、主人公は「カブ」と呼ばれる小さな軽飛行機に乗り、変容した世界の中で、さまざまな町へ出向いてさまざまな人と出会う、という内容。

遠い未来の世界で、現代とは大きく変わってしまった環境の中で、ごく普通の暮らしを淡々と描いた漫画でありまして。SFとは言ってもはっきりとした奇抜な設定などはなく、何かのストーリーがあるわけでもなく、登場人物達がどこかに行ったり行かなかったり、出会ったり出会わなかったり、食べたり飲んだり、という様子が中心に描かれる作品。
…このへん、類型があまり無い漫画だけに説明が難しいんだよな。前作の「ヨコハマ買い出し」を読んでる人ならすんなり入り込めるんだけど。

中心となるのは、飛行機のある人々の暮らしと日常。その日常の光景の中に、変わってしまった世界の姿を垣間見せることで、容れ物としてのSF設定を読ませる作りでして。
はっきりとした説明はほとんど無いけれど、読み進めながら「あ、ここはこういう設定か」と世界観を少しずつ頭の中で作っていく作業が楽しい。しかし世界観の説明がほったらかし、という意味でもあるわけで、こういう読み方に慣れてないと少々混乱するかも。

裏表紙の説明では、「地面が10倍になってしまった未来の世界」となっておりまして。
東京タワーは自然に取り込まれ全長が3000メートルを越し、谷には旅人を惑わす不思議な蜃気楼があり、空には地上に降りることなく大地の観測を続ける人々がおり。
あきらかに現代より退行してしまった文明と、姿を変えてしまった自然に世界の終わりを予感しつつも、それでも気ままに日々を送る主人公達が、切なくも力強い。
(楽天内ひょうたん書店通販ページ)

(1巻目レビューの概要と、採点基準はこちら)

投稿者 bird_chief : 2008年10月30日 23:34

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