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2008年09月10日
1巻目の「ファンタズム/雨隠ギド」

ファンタズム/雨隠ギド
全1巻
オススメ度:★★★☆☆
俺これ好き度:●●●●○
(ひょうたん書店通販ページ)
新書館ウイングスコミックスって、レーベルの特徴として女性向けなものが多いんですが、中にはこうして性別の垣根を抜きにして読める良作もあるもんで。これは期待の新人さんですよ。
ま、ヒロインの女の子がかわいかったってのもあるんですが。
主人公は、それまで親兄弟と離れて暮らしていた中学生の女の子。彼女には人の悪意や負の感情が化け物のようになって見えるという能力がありまして。しかし祖父の死をきっかけに兄と暮らすことになった彼女は、兄とともに東京で暮らすことになる。
人の多さとイコールして増える「感情の化け物」の姿におびえて暮らす中、彼女は人の負の感情を喰らう「きれいな人の形をした悪意のかたまり」である”からす”という人物に出会う。
からすは普通の人間には見えず、感情を食われた人間は意識不明に陥ってしまう。人間の姿をしているものの、話す言葉からは知性や感情が欠落しており、主人公はからすを避けるものの、からすは興味本位で彼女をつけまわすことになる。
怒りや憎しみといったマイナスの感情だけを見ることができる彼女が、周囲を拒絶し鏡すら見られないなかで、悪意の固まりであるからすと出会い、自分自身と自分に関わる人々とのつながりを見つめなおす、というドラマでして。
心の内側に深く根ざした能力を持つがゆえに悩み苦しむ彼女が成長していくストーリーなのですな。
どこにでもいる普通の人々が、悪意にとりつかれ、悪意に侵食されていく様子を、彼女を通して一種の恐怖漫画のように描きつつも、主人公の働きにより救われる、といった展開なんですが。
「悪意があれば『悪い人』で、悪意がなければ『いい人』なのか」という問い掛けもあり、人間の剥き出しの感情に対して時に苦しみ、時に泣きじゃくりながらもしっかりと向き合っていく少女の姿が良いのですな(このときの泣き顔がたまらなくかわいかったりするんだがな)。
物語は読みきり形式のエピソードをいくつか経て、”からす”の因縁と謎について解き明かす展開がクライマックスとなるわけですが。
普通に一般誌掲載されてもおかしくないくらいによくできた作品。
ヒロインがかわいいんでそれ目当てで読んでも後悔しない出来ですな。この作者の作品はもっと読みたいなぁ。
(ひょうたん書店通販ページ)
投稿者 bird_chief : 2008年09月10日 23:50
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