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2008年09月04日

1巻目の「あたらしい朝/黒田硫黄」


あたらしい朝(1)/黒田硫黄
オススメ度:★★★☆☆
俺これ好き度:●●●●○
 
(ひょうたん書店通販ページ)
久しぶりの黒田硫黄最新刊である。独特の作風の彼が、ドラマ化も果たした「セクシーボイス アンド ロボ」で彼なりの娯楽アクションドラマを見せた後、次は何を描いてくれるのかなーと思っておりましたら。
第二次世界大戦でドイツ軍すか。マジすか。と嬉しくなった一品。

 
時代は開戦前夜のドイツ。金持ちのご婦人をたらしこんでは酒と小銭にありつくような、チンピラの二人組み。そんな彼らが、ある日大金の入ったカバンを見つける。
しかし当然、この大金はやばいところの金なわけで。彼等はパン屋の娘にカバンをあずけ、倉庫の地下に埋めてしまう。
そしてドイツ軍はポーランドに侵攻。彼等はほとぼりが冷めるまで海軍に志願し、地元を離れることにするのだが…。てな内容。

しかも主人公が乗り込むのは、ドイツ海軍の仮装巡洋艦。普通の商船のふりして無警戒の民間船を沈めちゃう、というものでして。
お調子物の主人公と下っ端水平達との気楽な戦争模様が描かれつつ、船は日本へと向かう展開に。
ちなみに実在の艦艇をモチーフにしています。

どこかのんびりとしていながらも、それでも「戦争」やってますという水平達の様子をどこか滑稽に描きつつも、ドイツを遠くはなれパン屋と手紙のやり取りを繰り返すうち、やがて疑心暗鬼に陥っていく主人公の心理描写が巧く、長期の船旅によって変化を見せる感情でもってドラマを盛り上げる作り。

あと船上での乗組員達の様子は、戦闘行動だけでなく毎日の暮らしを細かに丁寧に描き、その面々にも女たらしがいたりダメなやつがいたりと非常に愛嬌がありまして。
そういったほのぼのとしたシーンが続きながらも、後半で大きな転換点を迎えるわけですな。否応なく彼らの身の上と続きが気になる寸法。

独自の筆致と画力を誇る黒田硫黄による、荒々しくも繊細で豪胆な作画も堪能できる内容ですが、この人もともとはあんま軍事方面に詳しくなかったのか、巻末にこの作品を描くに至った経緯と資料がいろいろ載ってます。
慣れてないままにこんなの描いたんだとしたら、凄すぎるよな。
(ひょうたん書店通販ページ)

(1巻目レビューの概要と、採点基準はこちら)

投稿者 bird_chief : 2008年09月04日 22:00

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