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2008年07月20日
1巻目の「亀の鳴く声/西炯子」

亀の鳴く声/西炯子
全1巻
オススメ度:★★★☆☆
俺これ好き度:●●●●○
(ひょうたん書店通販ページ)
ある偶然から出会った少女と青年との旅と恋を描く中篇連載作。
縁で結ばれ縁により変化してゆく人々の、滑稽だけれども温かくロマンティックであり、かつ人生の重みを感じさせるドラマ作りが見事。
よくできた恋愛映画を見終わったような、そんな爽やかな読後感が心地よい。
話の中心となるのは、とある地方都市に住む一人の男性公務員。そんな彼が夜のファミレスにて、可憐だけれども超強気で行動的な美少女に自分の描いた少女漫画を見せる。
その内容に感動した少女は、彼の人生を変えるべく、強引に東京の出版社へと持ち込みに向う。かくして、奇妙な2人のカップルによる、奇妙な夏の日のドラマが始まる、てな感じ。
そしてこの2人の出会いと時を同じくして、少女の家族や編集者などそれぞれにそれぞれのドラマが生まれ、人生にささやかな変化が訪れる、という構成。
中心となるのはあくまで公務員と少女の2人で、彼らとまったく関係ないところで他の家族のストーリーも展開されるという感じであり、いちおうメインの2人だけ追っていれば話の筋は追えるようになっています。
しかし彼らの周囲にある人々のドラマも、断片的であるとはいえそれぞれに今まで歩んできた人生を振り返り、大切な何かの転機を迎えるわけで。
立ち位置もプロット軸も異なるキャラが多いため、場面転換が頻繁に起こり、かつモノローグや説明を最小限にとどめ、行間と絵から心情を汲み取っていく漫画なため、繰り返し読むごとに味わいの増す作品です。
逆に言うとざっと1回読んだだけだと誰がどうなったのか把握しづらいんですが、話の核となる公務員と少女の2人が非常に強烈で鮮やかな存在感を放っているため、まずはこの2人のみに着目して読むだけで充分に面白い作りになってます。
著者特有の、親しみやすさと強い個性とを兼ね備えた登場人物達がなんとも魅力的でして。
超弱気で奥手な男と、強気でイケイケGOGOな美少女との凸凹カップルの対比と、反目と歩み寄りと、といったところで少女漫画らしい恋愛ストーリーとしての面白さも有り。
大人が楽しく読めてちょっと感動できる、そんな漫画になってます。1巻で読みきり完結となるのもさっぱりしていて後味が良いし。
男性にもおすすめよ。
(ひょうたん書店通販ページ)
投稿者 bird_chief : 2008年07月20日 23:30
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