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2008年06月22日
1巻目の「特務機甲隊クチクラ/日向陽市郎・櫻井圭記」

特務機甲隊クチクラ(1)/日向陽市郎・櫻井圭記
オススメ度:★★☆☆☆
俺これ好き度:●●●○○
(ひょうたん書店通販ページ)
アジア諸国からの侵攻により首都・東京が陥落寸前となった近未来の日本。
日本側の、子供や半端者で構成された部隊を主人公に、SFサイバーな武装を駆使して戦うサバイバルミリタリーアクション作。
設定的には、ナノマシンの使用により電波を使ったレーダー類が使えなくなり、目視による白兵戦が主流という戦場であり、敵味方ともにパワードスーツや多脚戦車を用いている、といった具合。
東京は完全な戦場となり、山の手線が最後の防衛ラインになっているという状況。
そんな中、いわくありげな連中ばかりが集まる部隊に身を置く主人公。つい最近まで高校生だった主人公の視点により、いかにも今風の若者という内面描写で学生であった頃の日常の記憶と過酷な戦場の現実とを描いていく、というスタンス。
幼さゆえに子供っぽさが抜け切らない職業軍人が、学校生活を振り返りクラスメイトや女友達のとこを思いながらも、戦場で人を殺し殺させる、という現実に向き合っていくというドラマが基本軸にあり、このあたりのモノローグと内面描写が非常に目に付く内容。
同時に、圧倒的に不利な状況下に置かれた自軍にあって、クセのある人間ばかりの愚連隊が多数の相手を向こうに回して活躍、というミリタリーアクション要素も描かれるわけでして。
設定や作品としての意図や描きたいものは割と見えやすいものの、漫画として少々ちぐはぐな印象。このへん色々ともったいない。
少年の独白と愚連隊の活躍という二つの話の流れがありながら、互いに結びつきが弱く必然性が感じられず、結果として主題がブレて読めてしまうところがあり。
また、デザイン・作画においては士郎正宗の影響が見られるものの(欄外の説明文まであったりする)、構図や構成に問題があり、立体的かつ同時に展開される戦場の様子を把握するうえで描写があちこち欠けており、何が起こってるか分からないためセリフと文章を読むだけになりがち。
士郎正宗マンガの場合は意図的に描写を省いても情報量は減らないのだが、こちらは描写も情報量も減ってるわけで。
白兵戦を描いているのに地形は把握できないしキャラの配置と位置関係や時間軸に沿った動きも読み取れないのは致命的。
もーちょい精進してほしいなぁというのが本音。
あるいは、もっと割り切って、ある一人の少年兵の内面性のみを深く追うようにしてもいいと思うんだが。
ただまーSFのあるミリタリーってのが好きならば、このへんは無視して小道具から世界情勢に至るまでの設定をあれこれ読み解いていくだけでも充分楽しめますんで。
どっちかってーとマニア向けだなぁ。
(ひょうたん書店通販ページ)
投稿者 bird_chief : 2008年06月22日 22:49
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