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2008年03月21日
1巻目の「鳥類学者のファンタジア(上)/望月玲子・奥泉光」

鳥類学者のファンタジア(上)/望月玲子・奥泉光
オススメ度:★★★☆☆
俺これ好き度:●●●○○
(ひょうたん書店通販ページ)
凡庸なジャズピアニストであるひとりの女性が、自分のルーツである祖母の記憶と謎を追ううちに、突然に時空を越えて戦時中のドイツへと赴く。そこで出会う自分の祖母やナチス高官らを相手に、謎の音階を用いた神秘主義の世界へと向かうドラマ。
なんかこうやたらめったらにいろいろと要素が多すぎて混乱しつつも、この手の込んだ漫画は最後まで読まずにはいられない。
主人公は女性ジャズピアニスト。小さなジャズ喫茶の片隅で演奏を披露する程度の腕前だったが、自分の周囲に死んだはずの祖母の存在を感じていた。
その祖母は、戦前に天才ピアニストと謳われており、戦時中のドイツで行方不明になっている。祖母にまつわる謎と、主人公自身の記憶にある旋律の謎を追ううちに、突然に戦時中のドイツへとワープしてしまう。
そこで主人公は自分の祖母と出会うわけだが、そこで祖母はナチス高官たちの支持を受け、音楽を用いたオカルト実験に協力していた、という具合。
ストーリーの流れとモチーフとなる要素が幾重にも折り重なっておりまして、ざっと並べるだけでも二人のピアニストと音楽、音楽と西洋神秘主義、西洋神秘主義とナチスドイツと、モチーフ同士が相互に絡み合った関係であるのが特徴。
さらに、主人公を中心とする人物ドラマとして見ても、主人公と祖母との関係と謎があり、祖母のほうにも後の世で失踪扱いとなってしまう謎と、ナチスとの関係があり。
でもってオカルト作品としても、音楽により宇宙の真理に近づく、という壮大なテーマがバックに用意されており。
上下巻で簡潔となる作品なんですが、あれこれと色々詰め込まれてます。そのためかかなり説明が多く、読み終えるまで時間がかかるんですが、手の込んだ料理をその調味料や隠し味まで味わうように、丹念に読み込んでいきたいところ。
よくこんだけのものを詰め込んで、うまく2巻分に構成できたもんだと感心しますわ。
カテゴライズするならば、女性向けミステリーのオカルト風味といった位置付けになるんですが、仕掛けと謎の多い作品なだけあり、謎解きの手ごたえが充分にありつつも、華やかで綺麗な漫画です。
(ひょうたん書店通販ページ)
投稿者 bird_chief : 2008年03月21日 23:24
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