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2008年03月20日
1巻目の「光の海/小玉ユキ」

光の海/小玉ユキ
(全1巻)
オススメ度:★★★★☆
俺これ好き度:●●●○○
(ひょうたん書店通販ページ)
ごく普通の我々の生活のすぐそばに、人魚がいるという設定で描かれるオムニバスドラマ。
短編連作の体裁で、人と人魚との間にうまれる温かなドラマを描いております。
短編作家でありまだまだ単行本も少ない人のようですが、これはまた良い作家が出てきたもんだ。
舞台は日本。ただし海や川に人魚が暮らしている、という設定。この人魚、幻想的な生物ではなく海洋哺乳類の一種であり、人間と会話し人間に等しい感性や知能を持っているものの、生態としては魚類のそれに近い、という具合。
現代日本の海や川で人魚が暮らすには、ちょっと環境的にどうかなぁとか、この人魚、有毒物質に汚染されてやしないんだろうかなぁとか色々と考えちゃいますが、漫画としてはそのあたりはすっぱり割り切り、無視する方向で。幻想性をちょっとだけ優先。
描かれるモチーフは人魚のいつ日常であっても、ドラマの主役はあくまで人間。
さまざまな想いや悩みを抱えた人々が、人魚と関わり合うことで、人魚の生き方、考え方から何かを受け取り、登場人物がそれぞれに変化を見せていく、という内容。
ドラマとしてもタイプが様々であり、友達だった女の子を好きになってしまった女性、妻の居ない子持ちの男性、人魚のいない海に思いを馳せる、元・海女の老婆。などなど。
そういったキャラクターのドラマに、色んな形で人魚という存在が影響を与えるわけですな。
作風として、少女漫画としては絵柄が少々独特で、漫符を多用せずキャラの輪郭線もはっきりくっきり描き、コマ構成もシンプルであり、一般漫画としてシンプルなスタイルであるため、男でも非常に読みやすいのは嬉しいところ。
お話としても基本的にハッピーエンドでありながら、ご都合主義に終わらない深みのあるドラマでありつつ、クドくならずに自然と日常描写に溶け込む「人魚」というささやかなファンタジーが、叙情性をより一層加える作りとなっています。
ほうぼうで評価が高いのもうなずけるなぁ。著者の名前ともども、記憶していきたい作品。
(ひょうたん書店通販ページ)
投稿者 bird_chief : 2008年03月20日 23:39
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