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2008年03月13日

1巻目の「仕上げに殺陣あり/今ノ夜きよし・中山文十郎」


仕上げに殺陣あり(1)/今ノ夜きよし・中山文十郎
オススメ度:★★★☆☆
俺これ好き度:●●●●○
 
(ひょうたん書店通販ページ)
「まほろまてぃっく」 「シャイナ・ダルク」の中山文十郎原作による時代劇作品。
往年の「必殺」シリーズを髣髴とさせる内容で、娯楽活劇であると同時に本格時代劇作品となっておりまして、時代劇好きのおいらとしては実に嬉しい限り。
奇をてらわずに王道的な時代劇でありながらも、原作者の「時代劇が書きたかった」という思いが伝わってくるようでして。やっぱ時代劇は良い。

 
舞台は江戸。主人公は剣の腕をもって暗殺の依頼「仕上げ」を請け負う浪人。彼がとある仕上げの依頼により標的と対峙したところ、忍びのような身のこなしの、一人の少女が現れる。彼女もまた、別のグループに属する仕上げ人であり、主人公と同じ標的を狙っていたのだった。
そしてその日から、数奇な縁により結ばれた主人公と少女を中心にした、江戸の闇に棲む仕上げ人達のドラマが始まる。といった筋書き。

いやー、読んでみて驚きましたよ。掲載誌が電撃ガオであり、女性キャラの造形や絵柄はアニメ調のそれであるものの、中身はガチの時代劇なんですもん。ファンタジーやらSF要素さらは一切無しで、このプロットが時代劇専門誌である「コミック乱」に乗っていたとしてもまったく違和感が無いくらいで。
加えて主人公も、子供がいてもおかしくないくらいの30代半ばから40手前の年齢設定だったり。
そしてあらすじから分かるように、やってることは必殺シリーズそのもの。
まさにバリバリの時代劇という感じで、こんなのが電撃ガオでやっていたとは、ほんと嬉しいなぁ。

時代劇というジャンルを一つの枠組みとしてとらえた場合、王道的なプロットに適った娯楽劇や人情劇を、嫌味や嘘臭さを廃して描くことができ、ファンタジーでありながらもリアリティを追求できるわけで、物語を容れる器としてはけっこう優れているんですよ。この作品でもその本質をしっかりとわきまえ、暗殺行を生業とする主人公達のアクション劇であると同時に、彼らの中で巻き起こる情と縁の物語もしっとりと描こうとしておりまして。 設定やら世界観やらで変なことをせずとも、これくらいの娯楽作が書けるのだという、時代劇の懐の深さを教えてくれるようでもありますな。
.しかしながら、構成として非常にシンプルな要素だけで作られている作品でもありますんで、今後どのように盛り上げ、登場人物一人一人を掘り下げていくのかは見所ですな。

1巻目では主役と少女のみにスポットが当たっていましたが、脇役のキャラもなかなか良い感じなのよね。

(ひょうたん書店通販ページ)

(1巻目レビューの概要と、採点基準はこちら)

投稿者 bird_chief : 2008年03月13日 23:42

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