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2008年03月10日
1巻目の「家族八景(上)/清原なつの・筒井泰隆」

家族八景(上)/清原なつの・筒井泰隆
オススメ度:★★★☆☆
俺これ好き度:●●●●○
(ひょうたん書店通販ページ)
他人の考えや思いが聞こえてしまう超能力を持つ家政婦さんの目を通して、さまざまな家族とその影の部分をえぐりだすドラマ。
家族という閉鎖された関係にある中で、人間のエゴと汚い部分、嫌らしい部分をこれでもかと見せ付けながらも、「家庭」という虚構を暴く秀作。
主人公は18歳の女性。他人の声を聞くように、周囲の人々の頭の中がわかってしまうという超能力を持っており、そのため住まいを転々とできる家政婦の仕事をしている。
そして勤め先となる家族の裏を垣間見ていく、という作り。
筒井康隆による原作小説はけっこう昔のものですが、身近な人間関係である「家族」をテーマにしつつ、汚く浅ましい人のエゴや本音と建前で生きる人の姿を重たく、ねちっこく描いておりまして。誰しも持っている自我そのものを摘出し、「ほらこんなに醜い」と提示されているような、ブラックで冷たく、滑稽でありながらも笑えないドラマとなっております。
現代社会に生きる人間の愚かさや内面の醜さを、読者に近い普通でどこにでもいるような家族の姿を借りて浮き彫りにすることで、30年以上昔の原作であっても鮮烈なインパクトと重さをもって読むことができるんですな。
と、このように重たいドラマでありながらも、基本的には1話完結の漫画とし、同時に淡白で軽やかさのある作画のため、ショートコメディを読むような感覚で楽しめるのは良いポイント。
人の心の汚さをテーマとしつつも、冷たく乾いたコメディでもある内容を的確に漫画として表現していると思いますよ。
しかしまー、登場する「家庭」の姿が生々しいというか。
誰もが自分の姿をどこかに投影してしまい、はっとさせられる漫画です。
「普通の人」というのをここまで嫌らしく、醜い存在として描けるものかと感心しますな。
原作の勝利だよなこれは。面白かった。
(ひょうたん書店通販ページ)
投稿者 bird_chief : 2008年03月10日 23:20
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