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2008年02月26日
1巻目の「配達あかずきん 成風堂書店事件メモ/久世番子」

配達あかずきん 〜成風堂書店事件メモ〜(1)/久世番子
オススメ度:★★★☆☆
俺これ好き度:●●●●○
(ひょうたん書店通販ページ)
書店員を主人公に、本屋を中心に巻き起こる事件とドラマを描くミステリ風ドラマ。
「暴れん坊本屋さん」を描いた著者ならではというか、たぶんこの人にしか描けないマンガだなぁ。
いい漫画だ。
舞台となるとは、ある都市の駅ビル6階にある総合書店(この時点で、「ちくしょう、大手か」とひがまざるをえない)。主人公はそこで働く、メガネのおねーさんとバイトの女子大生。
メガネのおねーさんはプロ書店員で本の知識もばっちり。バイトの女の子は不器用で店員としちゃいまひとつだが、カンの良さと頭の回転の速さから、推理力を発揮するという役割。
で、そんな2人のもとに、本にまつわる事件が舞い込んできては、それを解決、という内容。
主人公以外のキャラも、なんだか良いよなー。本屋さんだなぁって感じで。
話の内容は大きいものから小さいものまで。人命にかかわる事件から、ささやかな謎掛けのある爽やかなヒューマンドラマであったり。
そのどれもが、本無しには語れず、また実際に世間にある本を知っているからこそ作られるストーリーばかりなのですな。本と書店のミステリなんてのがあったんだねぇ、と感心。
また、「暴れん坊本屋さん」で存分に描いてくれた、書店員の日常を絵として面白く描いてくれる作画の功もなかなかでして。あらすじだけを追うと、どうしても地味で湿っぽくなりそうなところを、現役ベテラン書店員としてのキャリアを持つ漫画家の表現でもって、風景のディテールやプロットの継ぎ目のちょっとしたシーンを生きた本屋、生きた書店員として見せてくれまして。これがただのドラマから一歩踏み込んだ奥の深さを、舞台と人物とに与えてくれるんですな。
そしてもちろんそこで描かれているのは、やはり書店員なら思わず笑ってしまう、極めて実感的な書店員の日常であり、なんちうか、書店員がこれ読んだら、もうプッシュしないわけにはいかないでしょう、って感じだ。
平台とにらめっこしながら
「並べるべき文庫は11銘柄…。8面は空けたから、あと3面。コレとコレを移動して…」
なんて考えてる杏子さんの姿はもう、まさに書店員そのものでもう。笑っちゃうんだなぁ。
あとはまぁ、コメディシーンを中心に明るく組み立てられた、本屋ドラマの部分はこのような感じでナイスなんですが、ミステリ調のドラマとしては、重さやシリアスさといったものの出し方がちょーいとひっかかるかなぁというところ。
もうちょいと段階的な緩急の付け方や、シリアスシーンでもその度合いによる場面の強弱がしっかりしてれば、ドラマとしてもいい具合になりそうなんだが。このへんは次に期待か。
しかしまー、書店員としては、この1巻目の最後の話はちょっと違う意味でツラくて読めなかったなぁ…。コンテスト応募用の手作りPOPが派手に汚されるとか…考えただけで恐ろしい…。まぁだからこそ「事件」になるわけだが。
(ひょうたん書店通販ページ)
投稿者 bird_chief : 2008年02月26日 21:47
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