« マンガ批評の分類と、レビューの目線 | メイン | マンガ雑誌をシュリンクしちゃう効果−収集物としてのマンガ雑誌へ »
2008年02月03日
1巻目の「FRONTMISSION DOG LIFE & DOG STYLE/太田垣康男・C.H.LINE」

FRONTMISSION DOG LIFE & DOG STYLE(1)/太田垣康男・C.H.LINE
オススメ度:★★★☆☆
俺これ好き度:●●●●○
(ひょうたん書店通販ページ)
人型の機動兵器が闊歩し、二つの巨大連合国家が覇権を争う近未来。数十年前に火山の噴火と地形の隆起により生まれた島と、そこに眠る豊富な資源を巡り、二者は睨み合いを続けていた。
日本の報道機関として現地リポートのために島へと訪れていた主人公は、そこで戦争の始まりを目の当たりにする。という導入。
有名なゲームソフトを原作としながらも、凄惨極まりない「戦争」そのものを描くドラマとなっております。いやあすげぇすげぇ。
ロボットが出てきてドンパチやっちゃうよ、という内容でありながらも、この作品にはかっこいいヒーローもロマン溢れる物語も無く。
ヒロイズムを廃したところでむごたらしいまでに現代戦の姿を描き、様々な形でその戦場に巻き込まれ、何もかもが狂わされていく登場人物の姿を描く内容となっております。
バトル漫画とかそういうのじゃ全然ないんですね。もっと重苦しく、救いようのない何か、なのですよこれは。
ストーリーは、戦場に残った一人の日本人ジャーナリストの目線から、戦争とそこに居る人々の姿を見つめる内容となっており、ひとつの舞台の中で繰り広げられるオムニバスとして構成されています。
冒頭からは緊迫する情勢と開戦に至るまでが描かれているんですが、二つの勢力が小競り合いを繰り返した挙句に本格的な衝突を起こし、宣戦布告が行われ、実際の戦闘が始まるまで、刻一刻と変化していく情勢と、それに振り回される一般人の姿はかなりの読み応えがありまして。
坂道を転げ落ちるように最悪な状況へとまっしぐらな展開は、読んでて冷や汗が出ますな。
近代的な現代の街中が、徐々に戦場へと変化していくその有り様を克明に描いているのも見事です。
ロボとかメカとかそういうのを無視して、ここまで「ヒト」が主役の戦争漫画やってしまうと、もうフロントミッションでもなんでもないじゃん、となりそうなところですが。
だがしかし。
緻密にして重厚さ持って描かれる人型機動兵器「ヴァンツァー」の姿は圧巻です。
この物語においては、背景として、小道具としての扱われ方になっているにも関わらず、この悪夢のような戦場の主として、圧倒的な存在感なんですよ。息を呑むくらいかっこよかったなぁ。
既存のメカアクション漫画とは明確に一線を画していますが、読み応えは充分な作品。
そういやスクエニのヤングガンガンからは前にも一冊、太田垣原作のフロントミッション漫画出てましたね。
こんなの読まされると、そっちも気になるなぁ。
(ひょうたん書店通販ページ)
投稿者 bird_chief : 2008年02月03日 22:20
Trackback Pings
このエントリーのトラックバックURL:
http://b-chief.org/mt/cgi/mt-tb.cgi/1460

