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2008年01月15日

1巻目の「赤髪の白雪姫/あきづき空太」


「赤髪の白雪姫」(1)/あきづき空太
オススメ度:★★★☆☆
俺これ好き度:●●●●○
 
(ひょうたん書店通販ページ)
中世ファンタジーな世界観のとある王国にて。非常に珍しい特徴を持った美貌の少女と王子様との出会いとロマンスを描く少女漫画ラブコメ。
全編を通して爽やかで清々しく、実にいい気分になれる作品。
著者はこれが初単行本となるデビューしたての新人さんとのことですが、この人は伸びるでしょうね。
良い作家になってくれると思いますよ。

 
舞台はフラットで最大公約数的な「ファンタジー」の世界。ある王国に暮らし、薬剤師として街で暮らす少女がいた。彼女はその姿も美しいがなにより、世にも稀なリンゴのような赤い髪の毛を持っており、そのため目立ちたがりで悪評の高い王子に見初められ、妾として王子に仕えるよう命令が下る。
そんなことは御免だと王国を逃げ出し、ある山小屋に隠れ住んでいたところ、ある少年達と出会う、という筋書き。
ほんで出会った彼らが例によって例の如く、とある王家の王子とその従者であり、主人公を狙うダメ王子の手から彼女を救う、という流れになり、その日から少女と王子との付き合いが始まるという具合。

舞台設定や全体的な骨格、物語は少女と王子とのハートフルな交流とロマンス、という普遍的なものではあるんですが、そこから肉付けとして描かれる二人のキャラクター性や関わり合いかた、二人の作る距離感や雰囲気といったものが非常に表情豊かであり、また繊細で心地よい作品となっています。

ヒロインと王子さまと、二人ともしっかりしてるんですよね。きちんと自分の立場や主張というものがあり、自立しており。互いに信頼し心を通じ合わせながらも依存せず、相手を認めることでまた自分というものをしっかりと認識する。
恋人同士というよりも、強い絆と信頼関係で結ばれた友情のドラマに近いですな。
それが、付き合いを重ねることで徐々に互いを異性として意識しはじめる、という感じ。
でもそれが、野暮な言葉や感傷的なドラマは無く、淡々と静かに展開されるんですよ。しかしこのことが、言葉にあらわれなくとも、お互いが信じあい心で通じ合っている姿として描かれ、また二人の関係が強調されるという形になっています。

そんな二人の付き合い方が、男女の良い関係、良い姿、対等な立場で向き合う理想の恋人像として、読んでいて美しいわけですね。これが非常に爽やかで気持ちいいんですよ。
ただまぁキャラとして二人ともお利巧さんすぎるところがありまして、他の恋愛ラブコメであるようなすれ違いのドラマとかも無く、きちんとしっかりしすぎているなぁ、と思うところでもあります。

もちろんそれが作品の個性、強さとなっているわけですが、恋愛作の長編としてどういう盛り上げ方をしていくのかな、と気にはなるところ。今のところは、ヒロインの自立と成長を描くことでストーリーラインの柱のひとつとしているようではありますが。

ともあれ、ドロドロベタベタしててわざとらしく暑苦しい恋愛モノに飽きているならこれはおすすめよ。
サラリと軽やかでありつつ、傍で見ていて気持ちのいいカップルの姿があるわけですから。
(ひょうたん書店通販ページ)

(1巻目レビューの概要と、採点基準はこちら)

投稿者 bird_chief : 2008年01月15日 22:05

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