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2007年05月01日

1巻目の「預言者ピッピ」

yogensya-pipi.jpg
「預言者ピッピ」(1)/地下沢中也
イーストプレス・CUEコミックス
4/24発売

          
究極の頭脳が紡ぎ出す予言は福音か、それとも・・・・・・?
鬼才が描く長編ストーリー第1巻、満を持して登場!
(イーストプレス公式サイトより引用)
          
オススメ度:★★★★☆
俺これ好き度:●●●●○
理屈の飛び交うSF長編作。だが専門的で難解なわけではなく、ストーリーも盛り上がるし娯楽的要素も充分に有り。けれども哲学的で深いドラマで。手塚SFに匹敵とまで言うと言いすぎかね。
久々に「うわすげぇ!」と驚いた漫画。
(各5段階評価・合計4つ星以下は感想無し)

 
【感想】
地震予知のために生まれた、人類の全てをも計算できるくらいのとてつもない情報処理能力を与えられたロボットがストーリーの中心。
そのロボットの目の前で、ある悲劇的な事件が起きる。
その日を境に、ロボットは人間社会への関与を始め、周囲の人々のみならず人類そのものに対して大きな影響を与えていくことになる、という話。

要するには、行き過ぎた人工知能がヒトの世界を大きく動かしてしまう、というSF的シチュエーションのひとつではあります。
が、この漫画はそれをただの設定のひとつとせずに、むしろそれこそをストーリーの中心に据え、人工知能の生きすぎた成長とそれに伴う人間の変化をじっくり追っていく内容になっています。
これだけだとなんか小難しくて退屈な印象に受け取られかねないんですが、これがなんともドラマチックで盛り上がるのだ。

そのドラマを作るのは、主にロジックの対立である。
ヒトとヒト、ロボットとヒト、あるいはロボット内部でのロジックの対立。この論理の応酬がドラマとなり、そこから生まれる答えが話を動かし、新たな論理を産み、そこでまた葛藤や対立が起こる、という仕組み。
けれどもここまでやっといて、キャラが動かす話になっているのが面白いのだ。
特に1巻目終盤では、実に意外性のある展開を読者に提示してきます。
「ええっ!?そんなことが!」と唸っちゃう流れ。
しかし2巻目以降に待っているのは、さらに凄い展開なんだろうな、という期待感も充分に煽ってくれます。

しかしこれ、8年がかりでこの単行本化までこぎつけたのね。
…2巻目はいつになるんだろう。
ちなみに2巻目以降の展開もすでにコミックCUEでは掲載済みのようなので、ネットでうかつに検索するとひっかかります。ご注意を。

【こんな人に読んでほしい】
浦沢直樹の鉄腕アトムとか、SFに科学より論理を求める人なら。あとコアな漫画読みはおさえておいてほしいなぁ。
(1巻目レビューの概要と、採点基準はこちらから)

投稿者 bird_chief : 2007年05月01日 05:31

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