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2006年06月27日

1巻目の「彩雲国物語」

saiunnkoku-monogatari.jpg
「彩雲国物語」(1)/著者:由羅カイリ 原作:雪乃紗衣
角川書店・あすかコミックスデラックス
6/26発売

          
紅家の貧乏お嬢様の秀麗は、彩雲国の若き国王で、即位直後から仕事を放棄している劉輝の貴妃兼教育係を金五百両で引き受けるのだが…!?
(角川書店公式サイトより引用)
          
オススメ度:★★★★☆
俺これ好き度:●●●●○
古代中国風のファンタジー世界を舞台にした、王宮大河ロマン作。でありながら乙女ちっくラブコメも。
世界観を丁寧に作り込みながらもそれぞれのキャラが個性と魅力に溢れ、大河なのに人物ドラマをしっかり描く物語となってます。これは面白いぞ。おすすめ。
(各5段階評価・合計4つ星以下は感想無し)

 
【感想】
タナボタでその座を手にしたボンクラ王様に、教育係として主人公が後宮に入り、そこで王と出会ってどうのという内容なのですが。
歴史と設定をしっかり組み上げた舞台を用意してそこでストーリーを転がしながらも、全てのキャラが非常に立ってまして。多面的でそれぞれに魅力のあるキャラクター同士が二次元三次元に相関関係を築き、その上で主義主張と主体性を持ってそれぞれのキャラが動き、話を構築していまして。世界観やビジュアルイメージにまず目が行くところなんですが、登場人物が紡ぎ出すドラマとしての面白さが有りますな。

普通はこーいう美形な男性キャラ陣が紙面を彩る漫画は、それだけで男の読み手からすると抵抗のあるもんなんですが、細やかに性格設定が描かれ、スタイルや定型文法にとらわれない個人の思惑や観念がきちんと有り、そのうえで非常に活き活きとしているため、キラキラとした男性キャラ陣に違和感を覚えることが無く、むしろ男の目から見てもかっこよく見えてくるくらいで。美形キャラだけじゃなくて爺さんたちも良いしね。女性の描き手で良い年寄りキャラのいる作品にハズレは無いのだ。
しかしやっぱ、ヒロインが非常に良いですわ。
名門の出でお嬢様でありながら、幼少の頃に悲惨な体験をしており。庶民の視線と感覚を持ち、しっかりもので貧乏性。勤勉で知性と教養があり、国のために役に立ちたいという意志もあるが、理想論を口にすることなく地に足の付いたビジョンを持ってまして。そういう才人なんだけど、ロマンチックな恋愛観があり表面的にはおてんばな少女であり、非常に親しみの持てるキャラであると。1巻目だけでこんだけの個性を披露するキャラもそういないぞ。

そういった魅力的なキャラを揃えて、等身大のラブコメやりながらもシチュエーション主体のドラマにさせず、キャラごとの設定や舞台の背景を土台とした長編大河ストーリーを紡ぎ出そうとしているのが大変に良いですわ。もちろんラブコメパートも面白くて、大河パートとの構成バランスが整ってるのだ。

1巻目で効果的に伏線が散りばめられ、早くも権謀術数がうごめき出し、2巻目に対する期待感も充分に煽ってくれますわ。というか、広がりのある世界観と魅力的なキャラのある漫画なんで、たぶん話がどう転がろうとも面白くなってくれると信じて疑いません。

絵的なかっこよさもいいんだよね。花菖蒲の二人のシーンとか、巻末での主上の表情とか。しかもこのいいシーン、二つとも男キャラを描く場面なんだわ。

【こんな人に読んでほしい】
少女漫画に多少なりとも慣れがあれば、男性女性問わず誰でも楽しめる作品。つか、読んで損はしないと思う。
(1巻目レビューの概要と、採点基準はこちらから)

投稿者 bird_chief : 2006年06月27日 04:10

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