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2006年01月02日

ある地方ショップのエロゲ担当から見た2005年総括

年も明けましたが、こちとら正月なんて知ったこっちゃねぇって感じで。
新年迎えてからリンゴとバナナしか食ってねぇっての。
紅白も新春かくし芸もちらりとも見ずに、NHKでやってる「日本の話芸 特選・落語セレクション」なんぞにチャンネル合わせてたりする次第でありますが。

それでは地方のエロゲ担当店員から見た2005年総括。

 
さてエロゲの仕入れ担当始めて3年目になりますが、おおまかな状況は昨年とたいして変わっていないとでも申しますか。
市場全体から来る変な停滞感みたいなのは変わっていません。売れるとこと売れないとことの落差は拡大傾向にあり、中小メーカーのタイトルは相変わらず厳しい感じです。ショップとしても、大手売れ筋指向に拍車がかかりつつあるような状況でして。
売れ筋頼みでお店やってくと、今のプレステ等一般TVゲームショップが陥ってるように、お店にお客さんが来てくんなくなっちゃうことにもつながるわけで、そこんとこは注意していかなきゃなぁという感じです。まぁリリース点数はプレステなんかに比べれば多くはないので、端から端までタイトルごとに目をかけていくのも難しくはないのですがね。
しかしおいらがエロゲ担当するようになった頃はすでにエロゲ市場にそれ以前の活気が無くなっていた時でもありまして、たしかにいろいろ話を聞くと状況としては厳しいのでしょうけれども、「まぁこんなもんなんじゃないのかなぁ、悪くはないと思うけど」と個人的には思っていたりもします。

さて、売れ筋傾向が強まり中小が厳しいという以外にも、2005年を象徴するようなことがいくつかありまして。

まず目に付くのが、廉価版の多さですな。
過去の旧作の焼き直しという意味では、2004年頃まではリメイクとして新規製作がなされていたものもありましたが、メーカーの旧作タイトルを、パッケージと値段を変えての完全な再リリースというのがかなり目立ちました(システムまわりにある程度の手直しを加えたものもあるにはある)。
たしかに新規新作のリリースというのは年に何本もこなせるものではないので、年間のリリース数を多くするという意味では効果的なのかもしれませんが、廉価版として出せる旧作も限りがあるわけで、廉価版タイトルをも出し尽くしてしまったらその後はどうするのでしょうかね。
それでも廉価版に頼らざるをえないメーカーが多いのだとしたら、ほんとエロゲ界は今厳しいのかなぁと心配になっちゃいます。

次に動きとしてあったのは、タイトルそのものに関わることではないのですが、ポスターや店頭ムービーにおいて、過激な内容や表現が描かれなくなったこと。
これは昨年に、大馬鹿野郎な犯罪者が起こした事件により、秋葉原等にて、過激な表現のポスター等掲示物が一時的に撤去されたことに起因します。
ムービーにおいてはエロ声の入ったものが少なくなりまして、ポスターも露骨にエロいものが無くなり、一部の表現が自粛されるようになりました(具体的には、首輪とか)。
また審査機関主導においてポスター等の掲示物にも審査基準が設けられるようになり、一部タイトルの店頭用告知ポスターには、審査済みのマークが入るようにもなっています。
このへんの変化はお客さんの側からは見えにくいとこですが、確実な変化として現れています。

あと、これは2004年からあった動きのさらに変化とでもいいますか。
不正コピーや中古転売防止のため一部メーカーと審査機関主導により行われておりました、エロゲにおけるオンライン認証システムが結果的に撤退となりました。
ユーザーや小売店の側からの不評と、ヒット作が生まれても逆にオンライン認証があるがゆえに売り上げが伸びずに足を引っ張ることになったためでもあるわけなんですが。
しかし、中古市場が成熟しまくってることや、Winny等ファイル交換の場への止まらぬ流出という状況があるだけに、メーカーや流通の枠を超え、足並みを揃えたなんらかの対策が急ぎ必要になってきていると思います。
こういうこと言うと店員としては問題アリなんですが、新品がちゃんと売れるんであれば、中古販売を好きこのんでやりたかないわけで。

次にメーカーごとの動きとしては、新興メーカーの完全な世代交代が行われたと見ていいでしょう。
かつてユーザーに圧倒的な支持を受けていた新進ブランドにかつての勢いが無くなり、そこに別の新興勢力が取って代わるようになったというところでしょうか。
しかしこのへんの勢力争いというのは、派手なパブリシティ展開とメディアミックス路線が顕著なレーベルによるものでして。堅実な作品をリリースして堅実に売れているメーカーにとっては関係の無い話でもあります。
仕掛けが大きくて派手で目に付くぶん、ゲームとしての評価が下がればユーザーが離れてしまうのは当然のことでしょう。
また、古参の老舗メーカーの動向も興味深いものがありまして。
2004年のあたりから大手老舗メーカーの苦戦がありましたが、そこから堅実なタイトルを供給し続けることで持ち直したところがあったり、逆に路線の転換が裏目に出たのか失速したままのところがあったり。
このあたりは具体的にひとつひとつ見ていくのも面白いんですが、立場上ひとまずそのへんは割愛ということで。

さて次にタイトルごとの動きを見てみますと、2005年に圧倒的な売り上げであったのは「Fate/hollow ataraxia」と「ToHeart2XRATED」の2点がぶっちぎり。
しかしながらこの2点もやはりファンディスクや続編という位置づけであるわけで、担当としてはちょいと寂しい気もします。
あとは雑誌等でのパブリシティ展開とメディアミックスが派手で、その上でゲームの質自体も落とすことが無かったところが順当なヒットを飛ばしておりました。
そんな中にあって、メディアミックス路線を大きく打ち出すようなこともせず、ソフトとしての評判だけでヒット作となったタイトルとして「つよきす」が挙げられるわけで。
こういったタイトルがきちんとしっかりロングセラーとなってくれるという状況は、担当として嬉しい限りでありまして、エロゲ市場もまだまだ大丈夫だろうと思わせてくれたものでした。

しかしロングセラータイトルが出なくなっているこの状況はどうにかならないものでしょうかね。
リリース後から3ヶ月6ヶ月経っても売れ続けるソフトってのがほんと少なくなってきていまして。
2005年にロングセラーとなったタイトルって、2〜3ヶ月に1作くらいしかなかったんじゃないかなぁ。
そんな中で、2005年全体の売り上げベストを見てみると、トップ10の中に「Fate/stay night」の名前も並んでいたりもしまして。これって発売は2004年の1月なわけですから、2年間に渡って売れまくり続けているとうわけで。
TYPE−MOONが凄まじいバケモノブランドになっていることが分かりますな。

さて今年2006年の動向ですが
すでにリリース予定のアナウンスのあるタイトルを眺めていっても、ちょっとおとなしめと言いますか。苦しいかなと言う印象は若干なりともあります。
それでもまぁなんとかやっていかなきゃならんなぁと。栄枯盛衰の激しいこんな商売なのに、店としての対前年比は落とすわけにはいかないわけで。
今年はさらにお客さんがいっぱい来てくれますように。


しっかし、そういえばマブラヴオルタネイティブはとうとう2005年に出ることはなかったですねぇ。

投稿者 bird_chief : 2006年01月02日 02:34

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