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2005年12月27日

1巻目の「へうげもの」

hyouge-mono.jpg
「へうげもの」(1)/山田芳裕
講談社・モーニングKC
12/22発売

群雄割拠、下剋上の戦国時代。立身出世を目指しながら、茶の湯と物欲に魂を奪われた男がいた。織田信長の家臣・古田左介。
天才・信長から壮大な世界性を、茶聖・千宗易(利休)から深遠な精神性を学び、「へうげもの」への道をひた走る。生か死か。武か数奇か。それが問題だ!!
(講談社公式サイトより引用)

オススメ度:★★★★☆
俺これ好き度:●●●●○
茶の湯と骨董の観点から戦国時代を描き、実在した一人の偉大な数奇者の人生を語る、珍しいアプローチの時代劇作品。
武人であると同時に蒐集家としても描かれる数々の戦国大名に、今までにない新たな魅力を発見するはず。
凝った具足や茶道具の数々を見ているだけでも飽きない。
(各5段階評価・合計4つ星以下は感想無し)

 
【感想】
主人公である古田左介についてはWikiを参考に。ただし今後のネタバレを多分に含んでいるので注意。

茶器茶道具や古美術の骨董マンガの側面はあるものの、主人公は崇高な趣味を持った気高い人物としてではなく、物欲のカタマリみたいな俗物として描かれています。
そのため変な格式の高さがなく、節操なくモノに執着を見せる主人公は親しみやすい印象を与えてくれます。

そんな主人公が、歴史のうねりの中でどういったヒトやモノに出会い、どう変化していくかという話になってまして。
戦国時代の中での歴史ドラマと同時に、モノにまつわる武将達の話とその姿を滑稽に、茶目っ気たっぷりに見せることで、時代劇作品における新たな視点を提供してくれた感じです。
しかも刀剣や鎧兜ではなく、陶器や茶器だもんな。

その骨董品の数々も実に美しく描かれておりまして、またそれら名器に対峙して感激する主人公の姿に、読んでるこっちも実物を手にとって眺めてみたくなるほどです。

茶器に茶の湯に趣向を凝らした鎧兜に、メジャーとはいえない戦国武将と彼らにまつわる様々なエピソード。
生半可な造詣ではこのマンガは描くことが出来ないのが分かるため、歴史モノとしても面白い作品になっております。

さらに、単行本としても面白い作りになっておりまして。
表紙画像の右下のとこにある丸の部分はシールになってます(すごくはがしたくなる)。
そして各話のサブタイトルは、主に洋楽の邦題をもじったものになってます。
さらに巻末の人物紹介では、歴史上の人物の通り一辺倒な解説だけでなく、好きな色まで書いてあったり。
話も面白いうえに、この本全体が非常に洒落っけのあるものとなっております。

1巻目に出てきたヒトやモノについてはまとめている方がいました。
諸々・「へうげもの」用語解説その1
諸々・「へうげもの」用語解説その2
かなり参考になってそのうえ面白いので紹介。

【こんな人に読んでほしい】
時代劇のうえにまた扱ってるテーマが特殊ではありますが。なんらかのコレクターなら。
(1巻目レビューの概要と、採点基準はこちらから)

投稿者 bird_chief : 2005年12月27日 03:05

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