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2005年02月26日
1巻目の「ほしのこえ」
「ほしのこえ」/新海 誠・佐原ミズ
講談社・アフタヌーンKCDX
2/23発売
全1巻
【あらすじ・感想】
未来世界。火星にて発見された異文明の遺跡により、この宇宙にある人間以外の知的生命体の存在が明らかなものとなり、その調査が行われようとしている時代。
主人公、寺尾ノボルは中学三年生。彼と仲の良かったクラスメイト、長峰ミカコは異星人とその文明を調査するために遠い宇宙へ向かう、宇宙船団のメンバーの1人として選抜され、今は宇宙にいる。
二人は互いにメールのやり取りを通じ、言葉を交わしている。
しかし、船団が火星から木星、冥王星へと離れていくうち、二人の間でメールの送信に要する時間は次第に広がる。
そして中学を卒業し、高校に入学し、成人していく寺尾ノボルに対し、光を超えて遠くへ行く長峰ミカコは16歳のままだった。
……うーん、この作品の魅力をあらすじに投影させるのはちょいと難しいなぁ。
(本日は記事数多いので追記に分割)
原作は新海誠のアニメ。一時期かなり話題になりましたな。
けどあのアニメは、1人であれだけのクオリティの映像作品を作り上げたというのですごいんであって、ストーリー自体はマンガ原作にするほどのもんでもないだろー。だいたいあれ、30代以上のアニメ好きに見せると笑いながら見るんだぜ?
なんて思ってたんですが。ほんと表紙開くその瞬間までそう思ってたんですが。
あらちくしょう、うまくやりやがったな。とにんまり。
以下、どうしても原作アニメとの比較での文面になってしまうんですが、
原作ではほぼ二人の独白とメール文でのみ物語が進行していきまして、独特な閉塞感があり、後ろ向きなイメージが彼らに出てしまっていたのですが、コミックでは互いが自分の世界で出会う人との関わりを積極的に描くことによって、ふっとうまい具合に空気を抜いて場を緩和してくれます。二人だけの世界を内向きとしたとき、「内」と「外」の切り替えがいいんですな。
もともとがいかにもオタ受けしそうなストーリーだったものを、作画の佐原ミズは自分なりの消化方法で丹念に反芻し、再構築してくれてますよね。うまいこと自分のものにしてます。
描く線は、すんなりと誰の解釈も受け容れる寛容性を持ってます。
表紙絵が若干弱い印象を受けますが、まぁタイトルのネームバリューがあるので大丈夫でしょう。
アニメ原作付きだというのを抜きにしても、全1巻完結の中編としてなかなかにいいものになってます。
誰にでもおすすめ、と言いたいとこですが、ちょこちょこ出てくる「SFやってます」という要素につまづいちゃう人は注意を。
あとウラシマ効果について聞きかじり程度でも知ってないとどうしようもないしな、これ。
オススメ度:★★★☆☆
俺これ好き度:●●●○○
(各5段階評価)
【こんな人に読んでほしい】
原作知ってても知ってなくても。
ただし本筋の軸とあまり関係ないとこで出てくるSF的な記号に対して、慣れが無いとツライ。
(1巻目レビューの概要と、採点基準はこちらから)
投稿者 bird_chief : 2005年02月26日 01:29
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